こんにちは~♪ ドイツのデュッセルドルフでパン教室を開いています。パン好き、粉好きのmilkiekoと申します。ドイツの暮らしや食材、日ごろ感じる小さな私の想いをご紹介しています。


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15.発酵と温度

10月も半ばが過ぎて、デュッセルドルフは冷え込む日が多くなりました。朝晩は気温が10度前後まで下がり、雨が降る日は空がいっそう暗く感じて、これからの長い冬の寒さを思わずにはいられません。
私がパンの生地を捏ね始める頃、キッチンの窓からはまだお月様がくっきりと空に浮かんでいるのが見えます。外がしらじらと明るくなるのは、二次発酵を終えた生地が最後の仕上げにオーブンへと移動する頃…。当然、生地の発酵するスピードが夏場に比べてずいぶんと遅くなりました。最近は暖房を低めに設定したお部屋に生地を休ませますが、それでも暑い頃に比べると20分以上は余計に時間を必要とします。パン生地はまさに敏感な息づくもの。生地を通して季節の移り変わりを実感できるなんて、ちょっと素敵だなぁ~。そんなふうに思うのは私だけでしょうか?
一般的に生地の発酵に適した温度は28度から32度と言われていますが、必ずしもその温度の状況下でなければ発酵しない、というわけでは決してありません。粉はイースト菌とお水が加われば低い温度の中でも時間の経過とともにちゃんと発酵してくれるのです。
例えば私が自分のためによく作るパンは、前の晩に粉とお塩と少量の生イーストを混ぜて、耳たぶのかたさになるように水分を加えてよく捏ね、一晩じっくりと冷蔵庫の中で休ませます。そして次の日の朝、オーブンが220度の設定温度になったのを確認してから、生地を適当に分割し、両端をもって軽くひねって成形した後、すぐにオーブンへ入れて20分ほど焼いて、ハイ、出来上がり♪ かなりパン作りの固定概念を無視した作り方ですので、知人から教わったときは本当にびっくりでした。だって一次発酵や二次発酵の工程はすべて省いて、ただ捏ねて冷蔵庫へ入れるだけなのです。それなのに成形した生地はオーブンの中でちゃんと膨らんで、しかもおいしいパンが出来上がるから本当に不思議。その際、粉は全粒粉やDinkel(ヨーロッパの粉)などの栄養素がいっぱいつまった少し独特の香りがするものを使うのがポイントです。名付けてげんこつパン。残念ながら時間が経つとかたくなってしまうのでその名を付けました。でもかたくなったパンはオーブントースターで温め直せば風味と柔らかな食感が再び戻り、おいしく頂けます。
またその日の気分で、三種類の粉を混ぜたり、二種類にしてみたり…。もちろん単独でその粉の本来の風味を味わうのも良し。時間をかけてじっくりと発酵させたパンは本当に味わい深く、オリジナルげんこつパンを自分のために作るのは、今の私のささやかな楽しみの一つとなっています。
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これから一次発酵に入る生地。
ボウルにうすく油を敷いて生地を中央に置き、ラップをしてからぬれ布巾をかけてさらにビニール袋に包みます。

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by milkieko2 | 2005-10-27 06:40 | 15.発酵と温度