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こんにちは~♪ ドイツのデュッセルドルフでパン教室を開いています。パン好き、粉好きのmilkiekoと申します。ドイツの暮らしや食材、日ごろ感じる小さな私の想いをご紹介しています。


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カテゴリ:50.天然酵母ができた~♪( 1 )

50.天然酵母ができた~♪

ボスニアヘルツゴビナの自然の恵みをお土産に、ペンションのママが用意してくれたいちじくや洋ナシ、ぶどうなどの新鮮な果物…。お家に帰ってから、このまま食べ尽くしてしまうのはもったいない!(笑)と思った私は、かねてよりやってみたかった天然酵母作りに挑戦してみました。

まずはあま~い、あま~いいちじくを8個ほど拝借し、熱湯消毒をしたビンに入れ、二倍の量のミネラルウォーターを注ぎます。あとは時々、蓋を外してビンを振り、新鮮な空気を送り込んであげるだけ。こうして三日もすると酵母エキスが作れるのですが…。ほんとにできるかな???

さて始めはビンの底に沈んでいたいちじく…時間の経過とともに水をどんどん吸収して上面に浮き上がり、時々、フタをあけて揺すると、一日目にしてプツプツと泡が出始めました。たまたま作り始めた最初の二日間が、9月も半ばだというのに、気温が高めだったことが幸いし、思いのほか発酵が順調に進んだようで、二日目の晩には、蓋を開けると「ポ~ん」という弾けた音! この音が聞こえたら発酵終了の合図です。ビンの中はいちじくが隠れてしまうほど、シュワシュワと泡が立ち上がり、まるで炭酸水のよう…。これを茶漉しで濾して、液体だけを清潔なビンに入れて冷蔵庫で保存します。これで酵母エキスが完成で~す♪

e0073947_016576.jpg左は完成間近のいちじくの酵母エキス、右は発酵中の洋ナシ。

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さぁ、次は中種作りです。容器の中に100gの全粒粉と100gの酵母エキスを混ぜてヨーグルト状にしたものを室温に置き、三倍近くに膨らむまで待ちます。この時は夜の10時半くらいに仕込んだ中種が、24.8度の室温で、翌朝の6時にはめでたく三倍に育っておりました。そして本来はこの作業を二、三回繰り返すと、より良いパン種になる、とのことでしたが、とにかく早くパンを焼いてみたい気持ちを抑え切れず…(笑)。えっぃー、焼いちゃえぇ~!

                 中種が膨らんだ様子
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そこでボウルの中に小麦粉405を150g、全粒粉とライ麦粉を25gずつ入れて、中種は90g、塩小さじ2/3、お水を100ccほど加えて、ハンドミキサーの羽根を使って捏ねてみました。カンパーニュ風に仕上げたかったのでお水の量が少し多めでしたが、最後にバターを8g加えて、捏ねを終了します。

それから生地が三倍に膨らむまで、26.4度の室温で6時間ほど一次発酵させて、成型カゴに入れ、さらに生地が三倍に膨らむまで4時間置き、高温で温めておいたオーブンに入れてから、200度で35分焼成し…ふうっ~。やっと夢に見ていた天然酵母パンの焼き上がりですぅ~! 

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そこでお味のほうは…? 早速、焼き立てをお教室の皆さんに試食して頂き、パンの説明をせずに感想を伺ったところ、「粉の風味を感じる」「思ったより食感がやわらかい」「おいしい~♪」と初めてのお披露目にしてはまずまずの手応えです。確かに、天然酵母のパンは噛みしめるほどにパンの風味がお口の中に広がる感じ…。これにワインとチーズがよく合いそう~。 

さて今回の天然酵母作りは「お気楽天然酵母パン」のサイトを参考にさせて頂きましたが、管理人のゆきね~さんはとてもよく研究されていて大変、勉強になりました。
実は何が一番、難しかったかというと、中種を使ってパン生地を発酵させる時の、発酵の目安と度合いです。市販のイーストを使う場合より一次発酵も二次発酵もかなり時間がかかりますが、発酵不足では膨らまないパンになってしまいますし、発酵過多になり過ぎても、酸味の強いパンが出来上がってしまいます。まさに一番最初に焼き上げたパンは発酵過多でした。ライ麦粉を加えていなかったにもかかわらず、思いもよらず酸っぱい味がしてがっかり~(泣)。実際に天然酵母で焼くパンは、酸っぱく感じる傾向にあるようなのですが、これは種を発酵させている過程で、乳酸菌や酢酸菌が多く繁殖するからなんだそうです。気温や湿度、中種の状態などによって、発酵時間も大きく違えば、毎回、同じようにパンが焼き上がる、というわけでもなく、自分の目とカンを頼りに作る天然酵母パンは限りなく奥が深いようです。

でも一つのパンを焼くためにかける長い長い時間は、日ごろ、あくせくと時間に追われて生活している私に、「のんびり行こう」と語りかけてくれる、大切なひと時に変化していくような気がします。酵母の成長を眺め、生地が膨らむことを願い、オーブンの中でおいしく焼きあがることを祈る…。慌てず、急がず、ゆっくり、ゆっくり…。天然酵母のパンの魅力はそんなところにあるのかも知れません。

そして酵母エキスや中種は、時々栄養を与えてあげれば、何年も大事に育てることができるのだそうです。私の天然酵母作りはやっとスタート地点にたちました! これから大切に育てて、色々なパン作りに挑戦してみたいと思います。来年もまたボスニアを訪れることができるようにと願いを込めながら…。

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   洋ナシの酵母エキスとディンケル630を使って、白いパンに仕上げました。
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by milkieko2 | 2006-09-25 04:19 | 50.天然酵母ができた~♪