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こんにちは~♪ ドイツのデュッセルドルフでパン教室を開いています。パン好き、粉好きのmilkiekoと申します。ドイツの暮らしや食材、日ごろ感じる小さな私の想いをご紹介しています。


by milkieko2

カテゴリ:55.パン・ド・カンパーニュ( 1 )

先日、ベルギーのDurbuy(デュルビュイ)という小さな街で素敵なパンドカンパーニュとの出会いがありました。

この名前を聞くと、日本でもパリの「ポワラーヌ」がカンパーニュのお店として有名ですが、このパンはもともとパリ近郊の田舎で、昔から作られていた家庭用の大きなパンでした。それをパリまで行商で売りに来ていたことから、田舎風=カンパーニュと呼ばれていますが、このパンの特徴は外側の生地は厚くパリッと歯応えがあり、中はしっとりとやわらか。ルバァンと呼ばれる天然酵母を使って、じっくりと発酵させてから焼くことにより、パンの風味を思う存分、味わうことができます。

e0073947_20181154.jpgさて、リエージュの先にあるデュルビュイという街は、ウルト渓谷にすっぽりと包まれて緑と川に囲まれたとても美しい所でした。Pl. aux Foires(ファール広場)を中心に、石造りの家、石畳、小道が続き、高台には小さなお城が建っています。なんと街の人口は500人足らず…と、世界で一番小さな街と呼ばれているのですが、たくさんのレストランがあり、実はグルメの里としても有名なんですよ。


e0073947_20185115.jpgそしてここでこじんまりとした一軒のパン屋さんを発見! パンの種類は大きくて丸いパンドカンパーニュと角型の黒パンに白パン。その他は夕方だったせいもあり、小ぶりのパイとクッキーが置いてあるだけの品揃えでしたが、なんだかとっても魅力的な雰囲気です。
ショーケースの後ろ側の壁の棚に、焼き上がった不揃いなパンがきちんと横並びに立てかけてあるその姿が美しいのか、はたまた焼き上がったパンから発するオーラが店内に満ち溢れているからなのか…。しばらく立ち止まって窓越しにお店の中の風景を見入ってしまうほどでした。

それにしてもカンパーニュと書かれた直径25cmほどの丸パン(上記写真・手前側)は、上面に粉がふいていて、クープがほどよく裂け、しかもその姿がとってもお上品なんです。何だかいつも見ているのとはちょっと違うなぁ~と、よくよく考えてみたら、このカンパーニュは真っ白なんですね。たいていはライ麦が加わって、焼き上がりがこげ茶色で素朴な雰囲気を持っている、と勝手に思い込んでいた私にとって、こちらのカンパーニュはとっても新鮮に感じました。それにお値段が、一個1.75ユーロ(約260円)という表示にもびっくり。これって一個の値段? と半信半疑でしたもの(笑)。

そこで「ボンジュール~」と勇気を出して店内に入り、カタカナフランス語のアクセントで通じるかどうかとハラハラしながらも「カンパーニュを一つ…」と告げると、愛想の良い「ウィー、マダム」と心地よいおばさんの声。そしてすぐに味見がしたかった欲張りな私は、その場で機械を通してパンをスライスしてもらい、上機嫌であこがれのカンパーニュを胸に抱くことができたのです♪

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お味は…? もちろん申し分ありませんよ~。底の部分の焦げた香ばしい香りと、ふわふわのパン生地の絶妙なハーモニーは、バケットを思わせるような口当たりで、ほのかに感じる粉の風味が見た目同様にとってもお上品でした。なんだかカンパーニュと呼ぶにはもったいないくらいです!


e0073947_20214353.jpgところで私も時々、お家では自家製酵母を使ったりしながら、フランスで買ってきたパンドカンパーニュのお粉と一緒に、大きな丸パンを焼いたりします。このパンドカンパーニュ専用粉はすでにライ麦が入っているので、焼き上がりは茶色くて、食べるとほのかな酸味を感じます。
実はこれ。ずいぶん後になってから知ったのですが、フランス語のわかる方に袋の表記を読んでもらったところ、すでにイーストやお塩が入った調合済みのお粉だったので、お水を加えて捏ねるだけで、手軽にパンドカンパーニュができてしまうという優れものだったんですよ。


e0073947_2045816.jpgそしてこちらはデュルビュイの白いパンドカンパーニュを再現したいと思い、帰り道に立ち寄ったスーパーで買った粉です。今回は前日の晩から生イーストと粉、水を混ぜて12時間発酵させて種を作り、それに残りの粉と塩、水を加えて捏ねて、一次発酵も二次発酵も焦らずにゆっくりと待ってから、オーブンで焼き上げました。お店のようにはなかなか上品な仕上がりとはなりませが、食感もよく風味もあり…やっぱりベルギーの粉は私好みです!
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さてこのカンパーニュの焼き方ですが、オーブンを高温で熱しておいて、あらかじめ熱く焼いておいた小石に熱湯をかけて、たくさんの蒸気の中に入れて焼くと、外側がパリッと中味がふわ~と焼き上げることができるのです。が…。熱した小石に熱湯をかける時、ものすごい高温なんですよ。何度かこの方法を試したのですが、その都度、小石を入れた耐熱容器が割れてしまって、今では熱湯を入れたお皿をオーブンの下に置き、蒸気をだすことに留まっています。

それでも焼き上がった後に、パンの後ろを軽くコンコンとたたくと、トロンボーンのような音の響きが聞こえてきます。これが焼き上がりを知らせる合図。この軽やかな音がパンの底を伝わって流れる時、それが私の一番の幸せな時かなぁ~♪ 

ところでグルメの里、デュルビュイでは狩猟が解禁になったこの季節、猪や鹿の肉を使ったお料理を堪能することができます。と、私たちが気がついたのはデュルビュイを訪ねた後日のことでした(笑)。どうりで晩秋の週末、街のホテルが満室だったわけですよね~。しかし私にとっては猪肉よりもパン? まずまず充実した秋の散策のひと時と相成りました。
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by milkieko2 | 2006-11-27 21:32 | 55.パン・ド・カンパーニュ