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こんにちは~♪ ドイツのデュッセルドルフでパン教室を開いています。パン好き、粉好きのmilkiekoと申します。ドイツの暮らしや食材、日ごろ感じる小さな私の想いをご紹介しています。


by milkieko2

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35.カステラ作り

e0073947_6411365.jpg先日、ポルトガルのお土産にカステラの原型と謂れのある「pão de lo」(パンデロー)を頂きました。21cmの丸型で焼かれたこの焼き菓子は、卵をふんだんに使っているせいか生地が黄色くってとってもふわふわ。食べるとほのかにバニラの香りがして、しっとりとしたシフォンケーキを食べているような幸せな気分になります。これが室町時代の終わりにポルトガルの宣教師たちによって長崎に伝えられた…。なるほど、これは確かにカステラのルーツを思わせるにふさわしいお菓子でした。
さてカステラと言えば、子供の頃にテレビのコマーシャルで「3時のおやつは~♪」と白熊たちが踊りながら歌った場面がとても印象に残っているのですが、頂いて食べるだけだったカステラが、自分で作って食べるモノに変わったのは、これまたドイツに暮らし始めてからのこと…。友人にお茶に招かれた時に頂いた手作りカステラが本当においしくって、それ以来、家でもよく作るようになりました。
実は最初に作ったカステラは、生地の下層部分が沈んでしまい、決して上手にできたとは言えませんでしたが、それでも蜂蜜と牛乳が加わっただけで、お味は間違いなくカステラだったことには大感激。とにかくよく失敗を繰り返す私のことですから、その後もめげずに、卵の泡立て方や使う粉の種類を変えたり、隠し味にお醤油やみりんを加えるなど、色々と試し作りをし、その結果、現在の我が家のカステラは、卵は共立て、粉はディンケルの630タイプ(ヨーロッパで購入できるディンケルという麦の630タイプは小麦粉の405や550タイプと同じようにケーキやお菓子、パン作りに使えます。「ドイツの麦」をご参照ください)を使用、そして蒸し焼きにすること1時間。仕上げに焼き上がった上面にみりんをぬり、熱いままラップで密閉して冷まし、一日以上置いてから食べる。といったやり方で落ち着いています。と言うのは、別立て法で薄力粉を使った場合には、食感がかなりケーキに近くなってしまうこと、また生地をしっとりと落ち着かせるために、すぐには食べないなどの理由からです。お教室でも一度、405タイプの粉とディンケルの630タイプの別々の粉を使用してカステラを作り、その食感の違いを食べ比べてもらったことがありました。そしてその違いはと言うと「すぐに食べたときは405タイプがおいしかったけど、日が経つにつれて630タイプのほうが断然、おいしかった」という興味深い結果だったのです。
また私は時々、新聞紙を重ねて型を作り、そこに生地を流して焼きますが、こうすると熱の伝わり方が穏やかなせいか、とってもよく膨らんで満足なカステラを作ることができます。ただ型を手作りする分、多少、形が不揃いになりますので、お出しする時は形を揃えるために、端っこの部分を切り取るのですが、実はこの部分に甘さが凝縮されていて、余ったバラバラなカステラがとってもおいしかったりするんですよ(笑)。
こんなふうに好きなだけ贅沢にカステラを食べられるのも手作りならではのこと…。キッチンからカステラの甘い香りが広がってくると、決まって息子たちが「いつ食べられるの?」と聞いてきます。そうすると小さい頃に、よく一緒に読んだ「ぐりとぐら」の絵本の中の一説。「ケチじゃないよ、ぐりとぐら。ごちそうするから待っていて~」とカステラの匂いに誘われて集まってきた森中の動物たちに歌うセリフを口ずさんでしまいます。
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by milkieko2 | 2006-04-22 06:39 | 35.カステラ作り

34.羊羹対マジパン

先日、ここから80キロほど離れたDortmund(ドルトムンド)市で独日協会主催、市の電力・水道会社がスポンサ-となって、盛大に日本デーが催されました。鼓動、合気道、剣道、弓道、裏千家お点前、生花、折り紙、着物の着付け、墨絵などたくさんの日本の文化が披露、紹介されたのですが、当日は大勢の来場者があり大盛況。私は裏千家の社中の先輩と一緒に、この日はお茶のお点前に参加しましたが、日本の文化に興味を持つ外国人、中には深い知識を持った方も大勢いることをあらためて知る有意義な一日となりました。
さてお抹茶には和菓子…。時々、こんなふうにドイツの人たちに日本の文化を紹介する機会がある時には、まだまだ数少ない私の和菓子レパートリーの中から、手作り和菓子を提供することがあります。今回は上新粉と蜂蜜、お水を電子レンジにかけて、赤い着色料を少量加えたピンクの大福皮に白餡を包み、その上にトースターで香ばしく焼いたくるみをちょこんとのせた「くるみ大福」を50個ほど作りました。過去にはかぼちゃの餡を包んだおまんじゅうや黒砂糖で作る黒糖カステラなどを持参したことがありますが、何を作るかはいつも思案のしどころ。それは召し上がって頂く皆さんがおいしいと感じてくれるのか、いつもドキドキしてしまうからです。
と言うのも、まだまだ和菓子はドイツ人には馴染みのないお菓子。小豆がBIOのお店で買えることは「おばあちゃんのあんこ」でご紹介した通りですが、以前、ここの店員さんに「小豆はどうやって食べるの?」と質問されたことがあります。一応、しどろもどろになりながら、お砂糖を入れて甘くして食べるとおいしいよ、と説明したのですが、わかってくれたのかどうかは疑問(笑)。そう言えば今だかつてドイツ人から小豆やあんこが好き、という声を聞いたことがありません。特に羊羹は苦手なようです。いつもは喜んで日本食を口にする私の友人でさえ、羊羹だけはダメ。「色もイヤだけど食感がもっとイヤ」と断言してくれます。和菓子が大好きな私としては、お抹茶に羊羹を頂く時が本当に至福のひと時なのに、この幸せを味わってもらえないなんて、ちょっと残念~。
ところが逆に、ドイツでよくお菓子に使われる食材のマジパン、このおいしさ?が私には理解できません。これはどうやら私だけでなく、多くの日本人の方が苦手だというお話をよく耳にします。原料はアーモンドプードルと砂糖を混ぜ合わせたものですが、色付けや形が自由自在なので、日本ではよく細工をしたものがケーキのデコレーションの上にのっていたりしますよね。こちらでは細工をしたものはもちろん、ケーキの生地に直接混ぜ込んて焼くためのマジパンも売られています。マジパンを使ったケーキやクッキーのレシピも豊富ですし、そうそう。クリスマスの時期に出回るシュトーレンの中にもマジパン入りというのがありますよ。でも残念なことに、我が家は全員がマジパンの独特の香りと食感を苦手としているので、市販のクッキーやチョコレートを買う時にも、マジパンが入っていないかどうかを必ずチェックしてしまうんです。
ドイツ人にどうして羊羹が嫌いなのか、と尋ねたら、日本人がマジパンを嫌いなのと同じことだ、と答えたというお話があります。羊羹対マジパン。これはもう、どこか共通する部分を持ち合わせた異文化対決なのかも知れません。
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写真は市販のマジパンです。これをケーキやクッキーの生地に加えて焼きます。

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by milkieko2 | 2006-04-05 01:11 | 34.羊羹対マジパン