こんにちは~♪ ドイツのデュッセルドルフでパン教室を開いています。パン好き、粉好きのmilkiekoと申します。ドイツの暮らしや食材、日ごろ感じる小さな私の想いをご紹介しています。


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忙しい朝に私がよく食べるパンが、これ。

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Pumpernickel(プンバーニッケル)のサンドイッチです。
いわゆるドイツの黒パンと呼ばれているものですが、通常のパンの形状とはかなり異なり、かたくてずっしりと重たいのが特徴です。しかもほのかに香る酸味と独特の匂いは、最初、抵抗を感じる方が多いかも知れませんが、実は噛めば噛むほどお口の中で甘さが広がる不思議なパンでもあるんです。

このパンは私の住むデュッセルドルフ市と同じノルドラインベストファーレン州の北部に伝わる伝統的な黒パンです。かなり粗挽きのままのライ麦粉を使って、サワー種という独特の発酵種と一緒に湯せんにかけながら長時間かけて蒸し焼きにするのですが、最低でも3時間、長いと20時間以上かけるというのですから、本当にじっくりと気長に焼くんですね~。さずがに挑戦してみたくても家庭用のオーブンでは作れそうにありません(笑)。

そしてたいていはすでに5~7㎜くらいに薄くスライスされた四角形のものがパックに包まれてパン屋さんやスーパーなどで売られていますが、私のお気に入りは、BIOのお店で売っている缶入りのプンパーニッケル・丸型です。こちらは粗挽きのライ麦粉と水、塩だけで作られているので、ライ麦の持つ自然な甘みを心ゆくまで堪能することができるんですよ。

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   お値段は2.79ユーロ(約430円)。1缶に15,6枚は入っています。

また長期保存が可能なこのパンは、缶を開封しなければ二年間、開封してからも涼しい場所へ保存しておけば二週間くらいは日持ちがするので、私にとっては欠かせない常備パンの一つなんです。

そしてパンが重たい分、食べた後には白パンでは感じることができないほどの満腹感があり、腹持ちがとっても良いんですよ~。それにライ麦は整腸作用を活発にするので、お便秘にも良いと言われています。そんな理由から日本でも健康やダイエット食品として、缶入りのものがずいぶん流通されているようでびっくりしました。

さてプンパーニッケルは単独で食べる、というよりは、食感のしっとり感を生かして、スライスチーズやスモークサーモンをのせたオーブンサンドにしたり、クリームチーズやペーストをぬってオードブルのカナッペ風にするのがおいしい食べ方。そこでぜひ一度、チーズなどをのせてよ~く噛んで召し上がってみてください。きっとお口の中に残るほんのりした甘さが、忘れられい味となって心に残るに違いありません。

他にもRoggenbrotやVollkornbrotという名前で同じような形をしたものがPumpernickelとともに売られていますが、他のものはもっとクセが強いのと、噛んでも不思議な甘さがちっとも感じられませんので、私のオススメは断然、Pumpernickelです! ドイツの思い出に一度ぜひ味わってみてくださいね。  
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by milkieko2 | 2007-03-26 20:09 | 68.朝ごはん②プンパーニッケル

67.Bärlauch(ベアラオホ)

ドイツの春は突然やってきます。季節の移り変わりを少しずつ感じると言うよりは、昨日と今日では劇的な変化を遂げる、という感じ。今まで暗かった朝が急に明るくなったり、クロカッスや水仙が突如として大きく成長し、あっという間に花を咲かせてしまったり…。
とは言え、暗くて長い冬に別れを告げて、色のある美しい春の暮らしは、心も自然とわくわくするようで、本当に気持ちが良いものです。

そして春先になると出回る旬のものは、アスパラやいちごなど、楽しみな物がいくつかありますが、ここ数年、よく見かけるBärlauchもその一つ。
これ、ものすごいにんにくの香りがします。知らずに生で一枚、かじってしまった時には、お口の中ににんにくの匂いがどっと広がって、胃が痛くなるほどの強い刺激を感じました。それもそのはず。日本名では「行者にんにく」と呼ばれ、寒いところの高原や深山に自生する多年草です。

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このBärlauchは、ドイツで生活しているひつじっちさんが「ドイツ便り・Nachrichten aus Deutschland」の中で、昨年の春に紹介されており、「Bärlauch入りのパンがおいしい」との一文に私のアンテナはビビっ~!(笑)  しかし昨年は作る間もなく季節が終わってしまったので、今年は早めに焼いてみたのが、写真のBärlauch入りのパンです。

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こちらはフォカッチャの生地に、Bärlauchを適当に刻んで生のまま入れて、オリーブ油をたっぷりとかけて焼いたものです。どうやらBärlauchとオリーブ油は相性がとっても良いみたい。どちらもお互いの味を引き立ててくれて、いつものフォカッチャが数倍、おいしくなりました。

息子のドイツ語の先生によるとBärlauchは、ここ近年、ドイツでも流行の山菜の一つなのだそうです。もちろん以前からずっと森の中に自生していた植物ですから、先生が小さかった頃には、お父様がよく森に行って摘んできたのだそう。でもこの葉っぱはすずらんとよく似ているため、毒性のあるすずらんの葉とBärlauchを見極めるのが案外、難しいのだそうです。

それにしてもBärlauchってちょっとかわいいネーミングですよね。日本名の「行者にんにく」は、山で修行する行者たちの荒行に耐える強壮薬だったことに由来があるようですが、ドイツ語のBärlauchは「熊のねぎ」。その昔、熊も好んで食べていたのかしら…?なんて想像を膨らませてしまいました(笑)。

そのBärlauchの栄養価を熊は知っていたのか、この独特の強い香りは体にとっても良い働きをしてくれるんですよ。香りのもととなる成分は、動脈硬化や脳梗塞の予防に効果を発揮しますし、ガンの増殖を抑制する解毒酵素を活性化する働きもあります。また高血圧の予防、冷え性の改善にも適しており、疲労回復、強壮作用にも大きく作用します。

ちなみに我が家ではスパゲティと一緒に炒めてお醤油で味付けしたシンプルな一品が好まれていますが、炒めても茹でても手軽に使えますので、今のうちにたくさん食べておきたいところですね。次は餃子の具にでもしてみよ~っと。

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昨年、お庭に植えたBärlauchが小さな葉をつけて成長していました。日陰好きのBärlauchです。早く大きくなぁ~れ♪
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by milkieko2 | 2007-03-19 03:14 | 67.Bärlauch(ベアラオホ)
またまたしつこくクロワッサンのお話を…最終回です。
突然ですが、クロワッサンの歴史ってご存知ですか?

原型となるこのパンが作られたのは1683年のオーストリアはウィーンでのこと。実に今から324年も前のお話です(驚)。
トルコ軍の大軍にウィーンの街が包囲され、まさに攻め入られようとしていたその時、トンネルを掘り進めていた敵軍の行動に気がついたのが、深夜、地下のパン工場で働いていたパン職人たちでした。これがきっかけでオーストリア軍は逆転勝利。彼らの功績を称えた皇帝が、ウィーンのパン職人にいくつかの特権を与え、それに対して感謝と喜びの意味を込めて作られたプディングが三日月の形をしていて、これが現在のクロワッサンの前身といわれているのです。この三日月はトルコ軍の旗印。つまり三日月=トルコ軍を食べる、という意味が込められていたんですって。

それから約100年後にマリー・アントワネットが、フランス王・ルイ十六世に嫁ぐ際、クロワッサンもフランスに持ち込まれました。現在のような油脂を折り込んだサクサクタイプのクロワッサンが生まれたのは1920年のことだそうです。
長い歴史の中で、フランスのパン職人さんたちは、絶えず試行錯誤を繰り返して、おいしいクロワッサンにたどり着いたんですね。

このお話は日本でパン教室に通われ、パンもお菓子もすでに上級者の腕前をもつAさんに教えて頂きました。(ありがとうございました~♪)

こういうお話を聞くと、なんだかとってもロマンを感じませんか? クロワッサンに限ったことではありませんが、世界の歴史はパンの歴史でもあるのです。先人たちとともに歩み、今なお現代に息づいているパン。昔ながらの手法、伝統をそのまま継承しながらも、時代の流れの中で進化し、たえず人々の暮らしの中に存在し続ける…。そしてどこのパン屋さんにもそれなりのパン作りに対するこだわりがあるはずです。特にクロワッサン作りは使う食材や配合、工程や焼成の仕方によって、かなりお味に違いがでてくるとのこと。それがクロワッサンの味比べの興味深いところとなるわけなのですが…。

そんな由緒あるパリのクロワッサンを味わってしまったら、毎日、毎日、せっせと家で作っていた私のクロワッサンなんて、ほぇ~って感じで、本当にお恥ずかしい限り…(笑)。もちろん同じものを再現するなんて、それは到底、無理なお話ですけれど、せめてもうちょっとは近づきたい! そう意欲に燃えたのも事実でした。

そこで私も早速、パリで買ってきたバターと小麦粉でクロワッサンを作ってみたところ、新たな発見が確かにありました! それはドイツのバターを折り込んで焼いたクロワッサンは、焼成中にオーブンの中で、生地からバターがかなり溶け出す様子が見られるのですが、フランスのバターと小麦粉を使った場合には、バターが溶けだすことが全くありませんでした。つまり生地の中にバターの旨みがそのまま凝縮されているんですね。このへんの食材のもつ力が、味の違いに影響しているように強く感じました。なんだか限りなく奥の深いクロワッサン作りの、今は入り口付近に佇んでいるような気がします(笑)。

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それにしてもクロワッサンのお話…。ずいぶん長くなってしまいました(汗)。
私にとっておいしいクロワッサンは何故か魔法を持っているみたいです。だって一口食べるとそれだけでとっても幸せを感じるんですもの~♪ この恋心…まだまだ当分の間、冷めそうにありません。

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~デュッセルドルフ近郊にお住まいの方へ~
写真のクロワッサンは、AltstadtのMarkt内にあるドイツパンのお店で購入した「ミニクロワッサン」(0.35cent)です。ここは以前、ベルギーからドイツに移られて、毎日おいしいクロワッサンを食べていた幸せなTさんが、大いに嘆いたドイツのクロワッサンの中で、唯一、ギリギリの合格点をつけたお店です。このミニクロワッサンはとってもサクサクしていて、確かにドイツのお店で今まで食べたクロワッサンの中では一番、おいしいと思いました。 夕方になると売切れの可能性もありますので、早めに街へお出かけになった時には、ちょっと試しに寄ってみてください。大きな形のバタークロワッサンはドイツのお味ですから、オススメはミニクロワッサンです。
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by milkieko2 | 2007-03-12 08:28 | 66.あとがき・クロワッサン

65.私のクロワッサン

昨年、12月に日本へ一時帰国をした際、日本橋にあるデパ地下のいくつかのパン屋さんの味比べをしたのですが、ここでの記憶に残るおいしいお味が「メゾンカイザー」のクロワッサンでした。こちらのお店は前回訪れたパリのお店「エリックカイザー」のご本人であるエリック・カイザーさんとあんぱんで有名な木村屋の息子さんが共同で経営、都内を中心に店舗があり、「All about」のパンサイトでは「2006年・読者が選んだ好きなパン屋さん」の特集で二年連続のナンバー1の栄冠に輝いています。

e0073947_251293.jpgそしてこちらのクロワッサンは、自慢の一品と謳われるだけあって、一口めのサクッとした歯応えと後味の良いバターの香りがとっても良いお味で、「えっ~、クロワッサンってこんなにおいしいかったのぉ~」とジ~ンとくるほど大感激。それもそのはず。私の住むドイツのパン屋さんでは、クロワッサンをおいしいと感じることがほとんどありませんでしたから…。

もちろんドイツのどこのパン屋さんにもクロワッサンは売られています。だけどとっても脂っこかったり、バターの香りが臭かったり、食感がべちゃべちゃしていたり…(泣)。お教室でも「おいしいクロワッサンが食べたいわ~!」とは、悲劇的によく語られるセリフなんですよ。

そこでメゾンカイザーのクロワッサンを食べて、なんだか急に目が覚めたのです。
これはもう自分で作るしかない!!
こうして私のクロワッサン作りが2007年の年明けとともに始まりました。

実は過去にも一度、何の知識も持たないまま、見よう見まねでクロワッサンに挑戦したことがあるんです。この時はバターを生地に折り込む工程で、バターが生地からはみ出してきて、本当に本当に苦労しました(汗)。しかもできあがったクロワッサンがもうドン底に落ち込むくらい不味かった、というのですから、心の傷は深く、意識的にクロワッサン作りから遠ざかってしまっていたのです。

そこで今回は数多くのレシピと作り方、ポイントなどをチェック。私なりに学習し検討した結果、日ごろから活用しているパンの本の中から、特に大好きな徳永久美子さんの「パンを楽しむ生活-おいしいおはなし」のクロワッサンの作り方で再度、挑戦してみることに…。この本のレシピの冒頭にあるのは「ポイントさえ守ればおいしいクロワッサンができる!」と言う、うれしいお言葉。そうなんです。ポイントを守るとクロワッサン作りは決して難しくはありませんでした。

そのポイントとは、生地とバターのかたさが同じであること。冷凍庫や冷蔵庫を上手に使いながら時間をかけて折り込んでいくこと。また生地は捏ねすぎるとサクサク感がでないので、生地作りは捏ねることをせずに60回ほどたたいて終わり。(これ、本当にラクですよ。)そしてそのまま一晩、生地を冷蔵庫で寝かせてあげると、やはり前の晩にたたいて伸ばして冷蔵庫で待機させていたシートバターとの相性は、もうばっちりです。これで最大の難関だったバターを折り込む作業は実に簡単な作業に早変わりいたしました。

そして冷蔵庫でしっかりと休ませた生地は、成型のしやすいきちんとした生地に仕上がっていますので、成型が実に楽しいのです♪ 定規で6cm間隔にスジをつけ、二等辺三角形に切った生地の底辺に切り込みを入れ、くるくると巻いていくだけ。
ほらほら、愛しのクロワッサンたちがかわいく勢ぞろいしているでしょう~。

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しかしこれからがクロワッサン生地の本格的な発酵タイムなので、完成までにはもう少し我慢をしなければなりません。成型後、発酵に室温で約1時間。卵を表面にぬってから210度で15分の焼成でやっとできあがりです。

なんと前日に生地を仕込んで一晩休ませてから、朝6時に生地とバターの折りこみ作業を開始し、完成までにかかる時間は約4時間。さすがに朝ごはんには間に合いませんし、工程時間だけを考えると、とても気の遠くなるお話ですが、実際に作業にかかわっている時間はわずか1時間くらいなもの。作業と順序に慣れてくると、家事の合間にクロワッサン作りができてしまうので、実はとっても楽しくて簡単に作れるものであったのです!

そこで私のクロワッサンです。それは粉の1/3量を全粒粉に代えていますので、卵はぬっておりますが、お肌はちょっと小麦色。そしてとにかくたくさん食べたいので、バターの量は少なめでミニサイズです。それにお砂糖や牛乳は入らず、粉とバターと塩、イーストだけのシンプルなお味なのでたくさん食べても胃にもたれることがありません。

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この焼きたてのクロワッサンとコーヒーがあればもうそれだけで至福のひと時です♪ ただし、クロワッサンの場合、“焼きたて”とは言うものの、オーブンからだした直後は、まだ生地の中にバターがシュワシュワと残っていますから、少し冷めてバターがすっかり蒸発し、生地がパリッとしたくらいがちょうど良い食べ頃なんですね。
そして一口かじると、生地がうずを巻いたように層を作り、その層と層の間に空洞が見られると・・・ はい。今日もおいしいクロワッサンができました~♪

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 端っこの余った生地にはチョコレートを包んで、ミニのパン・オ・ショコラを作ります。
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by milkieko2 | 2007-03-10 02:24 | 65.私のクロワッサン