こんにちは~♪ ドイツのデュッセルドルフでパン教室を開いています。パン好き、粉好きのmilkiekoと申します。ドイツの暮らしや食材、日ごろ感じる小さな私の想いをご紹介しています。


by milkieko2

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e0073947_24040.jpg11月も半ばに入り、今年もクリスマス用品が店頭に並ぶ季節となりましたが、ドイツのクリスマスのお菓子と言えば、やはりStollen(シュトーレン)がその代表でしょうか…。こちらはイーストを使った発酵菓子で、山型に膨らんだ上面には粉砂糖がたっぷりとかかっています。その名をDer Weihnachtsstollen(クリスマスシュトーレン)またはDer Christstollen(キリストシュトーレン)と呼んだりしますが、この形の由来には、イエスキリストが生まれたときに使われた飼い葉桶、またはキリストを包んだおくるみに似せたとか、stollenがドイツ語で坑道や柱を表すことから、山の上に雪が積もり、中にくるまれたマジパンやフルーツを山に穿たれたトンネルに見立てた、などといくつかの諸説があります。

e0073947_244977.jpgそしてドイツではクリスマスの四週間前の日曜日からクリスマスまでをアドベントと呼び、日曜日ごとに1本ずつローソクに火を灯し、うすく切ったシュトーレンを少しずつ食べながらキリストの誕生を待つ、という習慣がありました。このシュトーレンの起源は1329年までさかのぼるというのですから、本当に伝統的なお菓子と言えますね。(右写真はアドベントクランツ)                     

でも私…この時期にクリスマスに食べるお菓子やクッキーの独特の香り、つまりZimt(シナモン)、Anis(八角)、カルダモン、Ingar(しょうが)などが合わさった香辛料があまり好きではありません。お店にこれらの商品が並んでいるだけで、この匂いが鼻について仕方ないんです。最近はさすがにこの香りにも慣れつつあるのですが、でもやっぱり私にとって、市販のシュトーレンはクセがあり過ぎます。そこで初めて自分で焼いたシュトーレンを一口食べたとき、それは想像以上の優しいお味で、「あら…意外においしい?」と驚き、感動さえ覚えました(笑)。これも雀の涙ほどしか加えなかった香辛料のおかげかな…?
              ~シュトーレンの材料~
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そうなんです。シュトーレンの中に加える材料は、レシピによってもかなり違いがあるように、レーズン、カレンズ、クランベリー、アプリコットやアーモンドスライス、レモンカップなど、お好きなものをチョイスして加えればよいわけですし、苦手な香辛料も控え目にしたり、ラム酒も思い切って省いちゃても構わないのです。そうすることで市販のように半年も日持ちはしませんが、125gの分量で作ると、日が経つほどにおいしさが増し、楽しみながら食べ切るのには、ちょうど良い大きさに仕上がります。

そんなシュトーレンの食べ方は、やはりうすく切って食べることがポイントでしょう。ケーキのように大きく切って食べたら、どうしても飽きがきてしまいます。特に市販のものは味も食感も重たいですからね。そして食べ方を知らなかったばっかりに、本場ドイツのドレスナーシュトーレンが鳩のえさになってしまった、という例が私の身近にありました。

それは昨年、クリスマスの前に日本へ一時帰国をしたときのこと。幼友達の妹さんから「知り合いのドイツ人から得たいの知れないものが送られてきたんだけど、すっごく不味くって、あれはいったいなに?」という質問を受けたのです。その形状や味、食感などをよくよく聞いてみると、なんと元祖・ドレスナーシュトーレンのよう…。

このドレスナーシュトーレンは、ザクセン州のドレスデンが、このお菓子の発祥の地であることから、ドレスナーと謳えるのはここで作られたシュトーレンだけにつく登録商標なのです。しかも生地の真ん中には端から端までマジパンが棒状に入っていて、どこを切ってもマジパンが中央にあるという金太郎飴状態のタイプ。せめてバター風味のシュトーレンだったら良かったのに、マジパン入りは私にはもっとも抵抗のあるお味ですから、うすく切って食べることを知らなかった彼女にとっても、この味は衝撃的だったに違いありません。

そこで鳩のエサ回避のためにも、もうすぐ始まるアドベントを前に、今年はぜひ手作りのシュトーレンがオススメです!
お教室でも12月はシュトーレンのリクエストがたくさん入りました。でもたいていの皆さんは、私もかつて作る前にイメージしていたように、シュトーレン作りは難しいのではないか…と考えているようで、「作れますか?」とたずねられます。ところが材料を揃える以外は思ったより手間もかからないんです。通常のパンのように膨らませる心配がないので、発酵に気を使う必要がなく、香辛料の入れすぎに気をつけさえすれば失敗なくお手軽に作れてしまうのですよ。あっ、これは私のように香りが苦手な人の場合ですね(笑)。もちろん洋酒の香り漂う濃厚なお味がお好みの方は、遠慮せずにたっぷりと定番の香辛料とラム酒を加えて焼き上げてみてください。でもくれぐれも薄く切って、召し上がることをお忘れなく♪

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by milkieko2 | 2007-11-23 02:34 | 84.意外においしいシュトーレン

83.時は金なり

お教室でパン作りに要する時間は、生地捏ねから始まって試食までがだいたい2時間半ほどかかりますが、でも実際に生地にさわって作業をしている時間だけを考えると、わずか半分の1時間程度と意外に短いもの。と言うのもパン作りの工程中、発酵やベンチタイム、焼成の間などは、次の準備をする他は何もすることがないからなのです。そこでお家でのパン作りに慣れてくると、家事の片手間にパン作りをする、なんてことは当たり前にできちゃいます。そうそう、夕食を作りながら明日の朝のパンを準備することだって、決して難しいことではありません!

そしてそんな時にあると便利なもの。それが時間を知らせてくれるタイマーです。我が家にあるタイマーはねじ巻きタイプが二つと壁にくっつけてあるデジタルタイプが一つ。お教室ではパン生地の発酵の間にケーキを同時進行で焼いたりするので、これらのタイマーがいつもフル活動します。ついつい楽しいおしゃべりに夢中になっていると、オーブンの中の生地や発酵中の生地を忘れがち…。そんな時には、ジリーンとキッチンに響くタイマーの音がとても頼りになる存在となるのです。

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でもこの卵形のタイマーはもう何代目かしら?と、忘れるくらい買い替えてきました。ねじ巻きタイプのものは、落としたり、無理にひねったりなど、ついつい慌てて乱暴に扱いがちです。でも5ユーロ弱の安物ですから、壊れやすくても仕方がないのかな、と半ばあきらめて、形のかわいらしさと使いやすさで、結局は同じものを繰り返し購入しては愛用しています(笑)。


e0073947_2245828.jpg一方、壁掛けタイマーは時計機能も付いていて時間も正確です。シンクの真上に掛けてあるので、洗い物をしながらチョコチョコ時間を気にすることができて便利。でも時々、押したつもりがスタートボタンを押し忘れいたりして、止まったままの動かない数字を見ては唖然とし、「あら、今、何分焼いたかしら…」なんてドジをすることも…(汗)。



また同じ時間を計るという意味で、紅茶の茶葉やハーブティの葉をじっくり蒸らしたいときに使いたいのはやっぱり砂時計でしょうか。ポットに好みの茶葉と熱いお湯を注いで、その脇に砂時計を置いておくだけでも、かわいい演出ができて優しい時間に変わりますよね。でも音もなく静かに落ちる砂時計は合図がないだけに、注意深く観察していなければならないのがたまにキズ。
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そんなことを考えていた矢先、よく行くフリーマーケットで珍しい音のでる砂時計を見つけました。これは今までに出会ったことのない形、しかもアンティークの年代物です。私にとっては35ユーロというちょっと高価なお値段だったのですが、迷いに迷ったあげく、やっぱり購入してしまいました。ネジを3分、4分、5分の好きな時間に合わせて、砂の入ったガラス部分を上に持ち上げてセットすると、静かに砂が下へ落ちていき、時間がくるとその部分が重みで下へ下がり「チ~ン」と軽快な音を響かせるんです♪

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以来、最近はなんだかお茶を煎れる機会が増えましたね~(笑)。特に近ごろお気に入りの「マテ茶」を4分間蒸らすのにぴったりなんです。このお茶は緑茶みたいに緑色をしていて、ほうじ茶と緑茶の中間のような香りがしますが、刺激が少なくてとっても飲みやすいんですよ。もちろんお教室で紅茶を煎れるときにもこの音付き砂時計は大活躍の新顔です。

そんなわけで砂時計はともかくとして、タイマーのほうはパン作りの道具としてぜひ揃えておきたい必需品と呼べるでしょう。これがあれば作業中も1分、1秒を大切に使えること間違いなしですから。
ハイ。まさに、「時は金なり」。この瞬間を大切に生きていきたいものですね。


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by milkieko2 | 2007-11-13 23:09 | 83.時は金なり
e0073947_19505374.jpg「うちの冷蔵庫の中、なんだか実験室みたい。」と主人がポツリ。近ごろ、我が家では天然酵母用の発酵エキスや保存用の酵母をいくつか常備している状態なので、冷蔵庫の扉を開けると、これらの奇妙な物体が、否応にも目に飛び込んできます(笑)。


それにしてもボスニアの甘いあま~い、いちじくから起こした酵母は本当にすごい! 昨年は生のボスニア産いちじくから酵母エキスを作りましたが、今年はおみやげに買ってきた乾燥のいちじくからエキスを作ってみたところ、まぁ、これがうれしいくらいによく育ってくれるのです。やはり太陽の恵みをたっぷりと吸収して育った果物は命がたくさん吹き込まれているのかな…。
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乾燥いちじくから作ったエキス。いちじくはほんのりピンク色をしていましたので、淡い色のエキスができあがりました。


まず天然酵母作りは、エキスと呼ばれる炭酸水を作る作業から始まりますが、これは糖分を多く含んだ果物であれば、たいていはエキス作りが可能です。この炭酸水をどのように作るかと言うと、熱湯消毒したビンの中に果物と水を入れて、常温で5~6日間おき、日に何度かビンのふたをとって、軽くふっては新鮮な空気の入れかえをしてあげるだけ。これだけでたちまち静かだったお水が、シュワシュワ~とした炭酸水に変身してしまうのですから本当に不思議です。

そしてこのエキスに粉をたして混ぜ、種が2、3倍に膨れるまで待ちますが、このエキスと粉をたす作業をさらに4~5回、繰り返すと、発酵力が安定した元気な酵母が完成します。昨年までは一回だけの発酵、つまり最初の発酵で2倍に膨れあがった時点で、すぐにパン生地に混ぜ込んで焼いていましたが、今年は種のかけつぎを念入りに行っているせいか、ダレ気味のゆるい生地でも、オーブンの中で生地が上手に膨らんで見栄えのするパンが焼き上がるようになりました。

そんなわけでお教室でも天然酵母のパンをご一緒に作りたいところなのですが、どうしても発酵に時間がかかってしまう天然酵母パンは、残念ながら現時点ではお教室での作業が不可能です。そこでご興味のある方にはFederweisserから作る天然酵母のパンのレシピをお配りしました。これは昨年も「天然酵母ができた~♪」でご紹介しましたが、発酵過程であるワインを使って、酵母を起こすというもの。このワインには安定した炭酸が含まれているので、最初の工程-エキスを作る-という部分を省き、すぐに酵母作りに取りかかれるんですよ。そしてすでに何人かの方が、この天然酵母パンに挑戦してくださって、うれしい報告をたくさん耳にいたしました~♪ 

長時間かけてイーストから手作りして焼き上げる天然酵母のパン。手間がかかる分、愛着もあり、たとえ最初は思ったとおりに完成しなくっても、一口かじると、普段は味わうことのできない酵母や粉の風味を感じて、なんだかじ~んと感動してしまいます。それに必ずやパンが「生きている!」ということを実感されるはず…。またイーストは何からできているんだろう?と日ごろ、疑問に思われている方は、一度、天然酵母作りをされることをオススメします。きっとご自分の目でパンの命を確認できるはずですよ。
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今年は近年、よく見かけるようになった赤のFederweisserから酵母を作りました。


さてさて今年もまもなくFederweisserの季節が終了間近です。飲み残しのある方がいらっしゃいましたら、下記の工程を参考にぜひ挑戦してみてくださいね。


中種酵母の作り方
ガラスのビン(ジャムなどの空きビン)にあふれるまで熱湯を注ぎ、お湯を捨てて、ビンを振ってよく水気を切る。(*布巾を使うと雑菌が入りやすいので、自然に水気を切ればOKです。)
酵母を作る前の晩(または酵母を作り始める8時間くらい前)にFederweisser100ccをビンの中に入れて、フタをして室温に置いておく。
ビンを振って炭酸がでていることが確認できたら、小麦粉100gを入れて、ゴムベラなどでよくかき混ぜて、上面を平らにならしフタをする。種の高さに合うように輪ゴムをはめておく。
輪ゴムの位置より二倍に膨らむまで室温に置く。
中種の完成後、すぐに使わない場合は冷蔵庫へ入れておく。

*12時間以上経過しても全く膨らまなかったり、フタをあけて酸っぱいにおいがしたら、その種は失敗なので廃棄します。
*小麦粉は550または全粒粉やDinkelなど好みで使用できます。
*この分量で約180gの中種が完成します。(以下の田舎パンニ個分の分量)
*冷蔵庫で保存している中種は3、4日内に使いきってください。

田舎パンの作り方
(材料)
小麦粉 200g
中種 90g(冷蔵庫に保存してあった場合は、室温にもどしておく)
水 110cc
お塩 小さじ3/4
砂糖 小さじ1/2~大さじ1
*小麦粉は405または550と全粒粉やライ麦を混ぜても良い。
例:550(150g)+全粒粉(25g)+ライ麦(25g)
*レーズンやくるみなどを入れるときは、捏ねあげたあとに加える。

(作り方)
①材料を全部合わせて生地を捏ねる。器械捏ねは3分くらい、手捏ねの場合は15分を目安に。
②丸め直してボウルに入れて、ラップをして約2.5~3倍に生地が膨らむまで待つ。
*24度くらいの室温において約5~6時間。(時間はあくまでも目安です。)
③打ち粉をした台にそっと取り出し、一度、平らに伸ばして、四方向の外側から内側へ生地を折り返しながら生地を丸めて、とじ目を下にして台の上におく。生地をおおうようにボウルをかぶせて、そのまま30分の間、ベンチタイムをとる。
④円形の水切り用ザルなどにふきんをかぶせ、茶こしを通してふきんに打ち粉をふる。休ませた生地はとじ目を上にしてから、手で空気をぬくように押し伸ばして平らにし、四方向の外側から内側へ生地を折り返し、とじ目をしっかりととじてきつめに丸める。(生地が手につくので、手粉をしながら作業してください。)
⑥そのままとじ目が上になるように生地を逆さまにしてボウルの中におく。
⑦余った布地でザルを覆い、ぬれ布巾をかぶせて、ビニール袋に入れて、温かいところに1時間半~2時間くらいおく。(この場合は35度前後が発酵に適した温度です。ハイツングの上や少し温めておいたオーブンの中に入れると良いでしょう。発酵終了の目安は、生地表面を指で押してみて、押し返す力が弱まった時。)
⑧発酵の途中に耐熱容器に水をはり、オーブンの下へ置いて、温度を230度にセットしておく。
⑨天板にオーブンシートをしいて、そっとザルを裏返して生地をシートの中央に載せる。
*やわらかい生地なので扱いに注意
⑩生地の上面に全粒粉などの粗い粉を茶こしを使い全体にふりかける。
⑪よく切れるナイフで十字型に切れ目を入れる。
⑫オーブンの中段に入れて(*扉を開けるときに、蒸気がでるので注意)、230度で5分、200度に温度を下げて20~25分くらい焼く。
*パンの底をたたき、響くような音がしたら焼き上がっている証拠です。金網の上でしっかりと冷まします。

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           おいしいパンができあがりますように…♪



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by milkieko2 | 2007-11-04 21:20 | 82.発酵ワインで作る天然酵母