こんにちは~♪ ドイツのデュッセルドルフでパン教室を開いています。パン好き、粉好きのmilkiekoと申します。ドイツの暮らしや食材、日ごろ感じる小さな私の想いをご紹介しています。


by milkieko2

9.おばあちゃんのあんこ

東京から東北新幹線で1時間半。私の祖母は福島県郡山に住んでいます。私は小さい頃から夏休みの大半をこの場所で過ごし、学生の頃もOL時代も、結婚して子どもが生まれてからも、折あるごとに祖父母のもとを訪れました。そしておばあちゃんがいつも私のために作ってくれたのが、おはぎでした。小豆ともち米は近くの農家から仕入れます。小豆は洗って二、三度茹でこぼした後に、弱火でやわらかくなるまでコトコト煮ます。そしてこしあんが好きな私とつぶあんが好きなおじいちゃんのために、茹で上がったあずきを半分に分けて、私のあんこのためにはさらに熱いままの小豆をサラシで漉します。それからお砂糖を加えてさらに煮詰めて照りをつけました。できあがったあんこは甘すぎず、蒸したもち米ごはんと絶妙にマッチして食事代わりに20個ほど平らげたこともありました。
そんなおいしいあんこを食べて育った私は、やはり市販の物、特に缶詰のあんこだけはどうしても好きになれません。ですから私はあんこを手作りします。こちらでもBIOのお店で小豆が「AZUKI」として売られています。お値段は2.59ユーロ(約375円)。これをおばあちゃんがやっていたようにやわらかく煮た後、面倒くさがりやの私はフードプロセッサーを使ってこしあんに仕上げます。そして甘さはいつも控えめ。私のあんこを食べた方が「小豆の味が残っていておいしい」と言って下さったことがありました。そう。まさに私が缶詰のあんこが苦手なのは、あんこがただ甘いだけで小豆の味が消えてしまっているからなのでしょう。
一般的にあんこ作りは大変というイメージがありますが、こしあん作りもフードプロセッサーを使えば楽チン。小豆を煮る時間と照りをつける時間は、時々様子を見ながら片手間にできてしまうので、さほど苦になりません。それでもまだまだおばあちゃんのあんこには遠く及ばず…。いつになったらおばあちゃんの味に近づけるのだろう…と思いながら、小豆を漉すときのおばあちゃんの赤くなった優しい手をなつかしく思い出しています。
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# by milkieko2 | 2005-10-04 05:12 | 9.おばあちゃんのあんこ
それは長男が小学校一年生の時でした。今からもう11年も前の話になります。彼のお友達のお母さんから「オニオン三つ編みパン」を頂いたことがありました。大きくって三つ編み鮮やかな光沢のあるパン。一口食べたらお口の中で玉ねぎの香りがふわっ~と広がってとってもおいしかったことが印象に残っています。しかも「私が焼いたんだけど…」の一言に心底びっくりした私。えっ~、パンって自分で作れるのぉ? 思えばその時が私と手作りパンの最初の出会いでした。
そして一度だけ彼女の家にお邪魔したとき、手作りパンの実演を見学したことがあるのです。その日、彼女は手際よく捏ね機と発酵機を使い、オーブンでおいしいバターロールやチョコレートパンを焼いてくれました。私にとってはパンが作られていく過程を見るのも、捏ね機や発酵機を見るのも生まれて初めてのことで新鮮な驚きがいっぱいでした。しかしその時は機械をもっていない私にはパン作りはちょっと面倒かも…と自分でパンを焼くということにあまり興味が持てなかったのです。
それから数年後、そんな私を変えたもの…それは今の環境でした。日本を離れてデュッセルドルフに暮らし始め、ドイツのハード系のパンにはどうしても馴染めなかったのです。それは子どもたちも同様で、「日本のやわらかいパンが食べたい」「メロンパン、あんぱん、カレーパン…」日に日にその声は増すばかりでした。こちらにも日本のぱんやさんはあります。でもお値段が高い(泣)。なんとかパンを自分で手作りできないだろうか…? 幸い我が家には立派なオーブンが備え付けてあります。よーし。やってみよう! それから私のパン作りの挑戦が始まったのでした。
人間は不自由な環境の中では、なんとかしようと不思議にがんばる力がわいてくるのですね。オニオンパンを焼きながら、手作りパンの出会いをなつかしく思い出し、優しい玉ねぎの香りに包まれて、なんともうれしい幸せな気分になりました。
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# by milkieko2 | 2005-10-02 03:28 | 8.オニオン三つ編みパンの思い出

7.イーストの話。

パン作りの楽しみの一つに、生地が膨らむという工程があります。一回目は一生懸命にこねた生地を丸めて一次発酵させると、ボールの中の生地が二倍の姿に変身をとげる時、そして次は成形した生地がオーブンの中で大きく膨らむ時です。この時ばかりはいつも教室内に感動の歓声が上がります。
この膨らむという働きはすべてイーストのおかげ。お砂糖やお塩、油脂類などはあくまでも発酵を助けるお手伝いであって、イーストを加えなければ粉をいくらこねてみたところで、決して膨らみはしません。これもすでに経験済み(笑)。一度、ぶどうパンの生地に生イーストを入れ忘れたことがありました。それも気がついた時はすっかりこね上がって発酵に入った頃でした。失敗をする時っていつも嫌な予感みたいなものがあるんですよね。あれ?イーストは入れたんだっけ?と思った瞬間、ゴミ箱の中の捨てたはずの包み紙を一生懸命探したのですが、あ~、やっぱり入れてない(泣)。結局、この時はもう一度、最初からぶどうパンを作り直したのですが、試しにまるっきり膨らまなかった小麦粉の塊をオーブンで焼いてみたのです。これはひどかった。バリバリのカチカチの塊はパンとは呼べるものではありませんでした。そう。イーストを加えて初めてパンになるんですね。もちろん小麦自体にも少しは膨らむ要素はもっているようで、チャパティなどイーストは入りませんが、熱を加えると一時、大きく膨らみます。またイーストを入れない種なしパンの歴史は古く、旧約聖書にもその存在が示されているのです。とは言えやっぱりイーストはパン作りにはなくてはならない存在といえるでしょう。
私が普段、使っているイーストは生イーストとインスタントドライイーストの二種類。生イーストはじっくり発酵させるとなんとも味わい深いパンができあがりるので私自身は生イースト派。注文販売の手作りパンにはいつも生イーストを使用しています。でもこれは生ものですので、冷蔵庫に保管し賞味期限内に使いきらなければカビがでて使用できなくなります。一方、ドライイーストのほうは常備しておけば、作りたい時にいつでも使えて大変便利です。
いずれにしてもこのイーストたち。粉と水分が混ざり、手で愛情をもってこねることにより、眠りから覚めるわけです。そしてお砂糖やお塩、バターなどが「早く起きてね」と応援しながら活動を開始する。それを思うたび、まさにパン作りは神秘の世界!と感動するのでした。
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イーストはドイツ語でHEFEと言います。左・インスタントドライイースト、右・生イースト

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# by milkieko2 | 2005-09-27 22:27 | 7.イーストの話。
その日、私は無性にマフィンが作りたかったのです。そこでプレーン、チョコチップ、バナナ、カレーと四種類のマフィン製作に取りかかりました。次から次へと焼き上がるマフィンの数々。オーブンからこぼれてくるあま~い匂いに包まれて、それはそれはなんとも幸せな気分でした。さぁ、完成品の出来もまずまずです。紙カップからこんもりと膨れ上がったマフィン。まさにこれが私のイメージするマフィンだぁ~!と一口、かじってみたところ、「しょっぱぁい???」…。見た目と味のギャップに驚いた私は全種類の試食を試みましたが完敗です。どれもしょっぱいマフィン。さてどうしてこんなことになったんでしょう。
実は先日作ったマフィンが、味は良かったにもかかわらず、マフィンの高さが不十分で出来栄えがいまいちだったため、その日の生地にはベーキングパウダーと重曹の量をどちらも二倍にして加えてみました。膨らし粉を二倍にしたら二倍ふくらむだろうと考える私も単純ですよね(笑)。そして確かにマフィンは膨らみました。紙カップから山形に膨らんで上面が色っぽく割れているマフィンの姿はちょっと魅力的です。でもこの味、とにかくしょっぱくってまずいんです。きっとオーブンの中でベーキングパウダーと重曹が化学反応を起こしたに違いない!これが我が家の失敗マフィンに関する結論でした。
ところが後に江島雅歌さんの「自然派おやつ」という本の中から「重曹は入れすぎると黄色っぽいどうしようもなく変な味のものができあがるので、くれぐれも計量にはご注意を!」という文章を読んで納得。「ベーキングパウダーは数種類の化学膨張材がデンプンの中に混ぜ込んであり、水分が加えられるとまず室温で反応し炭酸ガスを発生、生地がオーブンの中で加熱され再び炭酸ガスを発生し安定した生地の膨らみを助ける。一方、重曹の正式名は炭酸水素ナトリウムで、酸性物質(ヨーグルトやレモンなどのすっぱい材料)にあうと化学反応を起こして炭酸ガスを発生し、お菓子がふくらむ。」とあります。生地がふくらむにはちゃんとした理由があるのでした。また「ベーキングパウダーは小麦粉100gに対して小さじ1杯は使わないとうまくふくらまず、重曹を単独で使うよりもベーキングパウダーと一緒に使うと安定性がある」と教えてくれました。どうやら融合して勝手に化学反応は起こさないようですが、皆さん重曹の使いすぎにはどうぞくれぐれもご注意を。
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写真の左が重曹、右がベーキングパウダーです。マフィンは適量のベーキングパウダーと重曹を使い上手に膨らみました♪

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# by milkieko2 | 2005-09-27 21:21 | 6.化学反応?

5.やっちゃった。

今日の失敗談。お教室で皆さんの生地にバターを入れ忘れました。ごめんなさ~い。(涙) 材料はすべて、前日に分量を計ってそれぞれ準備をしておくのですが、バターはいつも出番が来る少し前まで冷蔵庫の中で待機しています。そして今日はそのまますっかり置き去りに…。しかもそのことに気がついたのは生地の一次発酵がそろそろ終了しようとする頃です。「え~い、このままやっちゃいましょう!」の勢いでバター抜きのカレーパンとコーンマヨチーズパンを強引に仕上げてしまいました。
バターなどの油脂類がパン生地にどのような働きをするかというと、パンの口当たりを柔らかくし、風味を豊かにしてくれる他に、生地の伸びを良くする潤滑剤の役目があります。
そこで今日のバター抜きの生地ですが、さわった感じはプヨプヨ柔らかくて良い感じ。卵も入ったリッチな生地だったせいもあるのでしょう。ただコーンマヨチーズパンの生地をめん棒で長方形に伸ばす際、「伸びな~い」と声を上げながら、伸ばすのに大変苦労しておりましたが、完成品はどちらも上手に仕上がって、落ち込んだ私の心を少し慰めてくれました。
ではここで今日は活躍することができなかったドイツのバターをご紹介します。写真・左が無塩バターで右が塩入バターです。ドイツではパンやお菓子を作る時だけでなく、料理全般、パンにバターをぬる際も無塩バターを使用します。そのためスーパーにずらりと並んだ四角いバターは、どれも無塩だらけ。当初は塩入バターはドイツにないものだとあきらめて、無塩バターに塩を混ぜたりしてみましたがうまくいかず…。(笑) そのうちgesalzという表示があれば塩入バターだということを聞き、大型スーパーで見つけたのが丸い入れ物に入った塩入バターだったのです。お値段は無塩バター250g・1Euro(約145円)前後、塩入バター250g・1.40Euro(約200円)です。
食材事情はバターに限らず、日本とドイツでは大きな違いがたくさんあります。これからも失敗談とともに少しずつご紹介していきたいと考えています。
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# by milkieko2 | 2005-09-23 00:44 | 5.やっちゃった。

4.笑ってください。

ネットで見つけたパンレシピのネーミング可愛さに早速、試作してみました「ハニーブー」。パン生地はお砂糖の代わりに蜂蜜がたくさん入っていて、焼き上がりもほのかに蜂蜜の香り…。食感も柔らかくお味のほうもグット。しかもとても成形しやすい生地だったのが好印象です。でもでも焼き上がりのハニーブーは本当にひどい出来(笑)。家族には「夢を喰うバク」だとかクレヨンしんちゃんにでてくる「ブリブリ左衛門」だとか散々、小ばかにされてしまいました。焼きに入るまでの二次発酵段階では、かわいいブタのお顔だったんですけどね…。
パンは生地を成形した後、オーブンの中で熱が加えられると、時々、思いも寄らぬ方向へ伸びたり膨らんだりすることがあります。まだまだ私はそのへんの腕が未熟で、出来上がりの形を計算して成形をすることができません。例えばこのハニーブーもお顔の部分と鼻の部分をもう少しうすく伸ばせば良かった…。でも予想外の仕上がりに驚きながらも、そこにパン作りの奥深さとおもしろさを感じてしまうのも事実なのです。だって多少、形がいびつでもそこに手作りの味わいが感じられるでしょう?また確かに前回のような味に影響のある失敗は致命的ですが、パン作りはケーキほど失敗のリスクが少ないようにも感じています。とりあえず形にこだわらなければおいしく食べることができるのですから…。
失敗を恐れるなかれ。そう自分を励ましながら、一日も早くこのハニーブーがホームページの「その他のパン」に加えられるよう、めげずにチャレンジしていこうと思います。
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# by milkieko2 | 2005-09-18 05:25 | 4.笑ってください。

3.お砂糖とお塩の力

今日、お教室で私の基本のパンが焼き上がった時、あれ?なんかヘン…。皆さんのパンは成形したパン生地の上に溶き卵を塗ってもらい、オーブンで焼き上げますが、「卵を塗らないとどんなふうになるのですか?」というご質問にヒントを得て、私の分はわざと卵を塗らずに、できあがりの違いを見てもらっています。そして卵を塗らない仕上がりはなつかしい給食のコッペパンのよう。それはそれで素朴でなんとなくかわいいのですが、でもやっぱり今日のはいつもと違う…。そう。その答えは目の前に置いてありました。計量を終えて出番を待っていたお砂糖とお塩だったのです。そこでちょうど昨日、同じように焼いた基本のパンがあったのでその違いを見比べてみることに…。お砂糖とお塩抜きのパンは表面の皮がかたい。全体に触った感じもごっついです。そしてひとまわりも小ぶり。あきらかに発酵不足が見て取れます。やっぱりお砂糖とお塩が発酵を促す大切な役目をしているのですね。それからお味のほう、これもかなりいけません。なんの味もしないんです。(笑) しかも食感は見た目同様、かっ、かた~い。いつもは牛乳のほんのり甘い香りが自慢のふんわり、もちもちパンなのに、見事に味気のない一品となってしまいました。
私は普段、自分のためには全粒粉やドイツの粉にお塩とお水と生イーストを加えただけのとってもシンプルなパンを焼きますが、たった小さじ一杯のお塩が粉の風味をいつもひきたててくれていたなんて…!お砂糖とお塩の力、あなどるべからず。控えめな存在だけど、とってもとっても大切な役割を果たしているんだと実感した今日の失敗でした。おそまつ。
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右側がお砂糖とお塩抜きのパンです。

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# by milkieko2 | 2005-09-16 04:57 | 3.お砂糖とお塩の力

2.パン焼き器と粉の話

今から7年前、日本からドイツへ越して来た時、私が自費で持参した唯一の電化製品がパン焼き器でした。当時、まだ購入したばかりのパン焼き器。必要な材料をセットするだけで毎朝、できたてのふわふわパンが食べられることに感動していた私はどうしてもこの機械を手放すことができなかったのです。ところがこちらへ来てから、ドイツで強力粉と言われている550というタイプの粉を使って、同じように食パンコースをセットしてみたところ、期待に胸を弾ませていた私が目にしたものは、全く膨らむことをしないカチカチのなんともまずそうなただの小麦粉の塊でした。どうやら粉自体に日本とは大きな大きな違いがあるようです。
パンとじゃがいもが主食の国・ドイツ。スーパーマーケットにはたくさんの種類の粉が顔を揃えています。日本的にこちらの粉を分類するならば、薄力粉を405タイプ、強力粉を550タイプと一般的に言われていますが、数字が表すその意味はその粉にどれだけのミネラルが含まれているか…ということ。麦をまるごと挽いた全粒粉から始まって、1700,1600,1050,812、550,405と続き、数字は大きいほど栄養がたっぷりつまっているのです。しかしその分、食感は日本のような柔らかいパンになることはありません。
その後、405タイプの粉が日本でいう中力粉程度の硬さであることに気がついた私は、以来、パン焼き器の食パンも手作りパンも、この405タイプを使用するようになりました。今ではケーキを作る時も、ピザ生地やお好み焼き、うどんや餃子の皮なども全て405が大活躍。しかもお値段が30Cent(50円)弱という我が家の万能選手は、実は庶民の強い味方でもありました。
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# by milkieko2 | 2005-09-16 04:44 | 2.パン焼き器と粉の話

1.はじめに

優しい旦那様とたくましい三人の息子たち、そしてイタズラ好きの愛犬みるくとのドイツでの暮らし。何のトリエもない平凡な主婦である私が、せっせと続けてきたことは、ただ粉をこねることでした。数々の失敗を経験し、そしてなおドジなことを繰り返す日々…。それでもやっぱり粉が好き。そんな私のひとり言を書き綴っています。素敵なアドバイス等頂けたらうれしいです♪

もう一つのブログに私の作品の一部を写真でご紹介しております。またデュッセルドルフ近郊にお住まいの方にはお誕生日のケーキの注文販売を承っています。こちらもどうぞご覧ください。

http://panokashi.exblog.jp/
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# by milkieko2 | 2005-09-14 04:17 | 1.はじめに