こんにちは~♪ ドイツのデュッセルドルフでパン教室を開いています。パン好き、粉好きのmilkiekoと申します。ドイツの暮らしや食材、日ごろ感じる小さな私の想いをご紹介しています。


by milkieko2
私はどこか旅行へ出かけると、決まってその土地のスーパーへ立ち寄るのが趣味です(笑)。国によってさらにその土地によって、同じスーパーでありながらも、それぞれ独自の雰囲気が感じられ、そこで暮らしている人たちの日常生活をほんの少しだけ疑似体験できるような気がして、時間も忘れて売り場を行ったり来たりしながら、おもしろい食材探しに没頭したりします。

そして必ず忘れずに購入するのが小麦粉。どこのスーパーにもたいていは2、3種類のメーカーの違う小麦粉が並んでいますので、その中から言葉の解読はカンを頼りに、どれにしようかとあれこれ迷いながら選び、そしてやっと手にした小麦粉は、毎回、重たいお土産ではありますが、ずいぶん安上がりなお買い物であることに間違いありません(笑)。そして家に帰ってから、まずはパン焼き器で食パンを焼いて膨らみ具合を比較するのが好きなんです。

そこでこの冬休みは、近隣国へ小旅行に出かけた際に、小麦粉と一緒にドライイーストを買って集めてみました。

e0073947_0555510.jpg


上の写真は左からフランス、日本、ドイツのドライイーストを使ってそれぞれ同じ条件の下で焼いた食パンです。結果はどれも同じように膨らんで特に違いは感じられませんでしたが、それでも国によって一包のイーストの分量が違っていたり、粒の形状が粗かったり、細かかったりと特色は様々です。特にベルギーのドライイーストは今までになく粒が大きくてびっくりするほどでした。

日本からは日清のスーパーカメリヤを買って来ましたが、最初に封を切りパン焼き器で焼いた食パンは、三男と思わず「でかいね」と顔を見合わせるほどの良い出来栄えだったにもかかわらず、その後は他国のイーストを使った食パンとそれほど変わりのない焼き上がりが続いているので、日本のが何より一番です、とは語れないように思います。それにこの製品の原産国はフランスとなっており、「パン「コツ」の科学」という本によるとドライイーストの大半がヨーロッパから輸入されているとのこと。イーストに関してはこちらで購入したものを使っても、焼き上がりにはそれほど差がないことを実感しました。

それでもベーコンエピにはフランスのドライイースト、ベルギー風ワッフルにはベルギー産、ライ麦パンにはドイツのHEFE…なんて、パンの種類によって気ままにドライイーストを使い分けてみたら、これこそ本当に贅沢な楽しみ方の一つなのかも知れません(笑)。
パンにとっては命の基となるイーストだけに、今後も深くこだわってみようと考えています。

e0073947_0563299.jpg

   左からドイツ、ベルギー、日本、フランス2種類のドライイーストです。

☆ちょっと一言☆
ドイツのスーパーでよくみかけるお菓子の材料などの製品にDr.Oetkerという大手の会社の商品があります。オランダ、ベルギーでもドイツ同様に同じ商品のドライイーストが売られていました。いわゆるブランド品にあたるため、お値段も少し高めです。ただこちらのドライイーストに関してはお教室で膨らみかたに不満を持つ声を、時々耳にします。ですので今回はあえて対象外といたしました。そのためオランダ・ユトレヒトではドライイーストを買うことができませんでしたので、この次にオランダのどこかの街を訪れるときは、忘れずにドライイーストを買ってこよう~と思っています。
[PR]
# by milkieko2 | 2007-01-17 01:42 | 59.イースト・ドライイースト編

58.年頭所感

12月に日本へ一時帰国をした際、とあるパン教室に一日だけ体験入学をさせて頂きました。今さら体験入学?なんて、ちょっとお恥ずかしい話なんですが、実は私自身が一度もパンを作るお教室というものに通った経験がなかったものですから、ぜひ一度、受講する側として参加してみたかったからなんです。

当日は生地の手捏ねから始まり、約2時間の間にアーモンドをのせたコーヒー味のパンを友人と二人で焼き上げました。材料や分量、レシピ、先生の的確な説明、発酵器やオーブンなどの機材、お教室の明るい雰囲気等、どれも本当に参考になることばかり…。質問のし過ぎで講師の方には印象を悪くしたかな(汗)と反省はありますが、できあがったパンはおいしくって、手作りパンの醍醐味をいつもとは違った側面から眺めることができたのです。

そして一つ確信できたことは、パンが焼き上がるまでの工程には色々なやり方があって然り・・・。どのように途中経過を辿ろうとも、最終目的はただ一つ、愛情たっぷりのおいしいパンを焼き上げること。その目標さえ見失わなければ、説明に難しい言葉なんて実は必要ないのかも知れない・・・ということでした。

また日本に滞在期間中は、単身、日本で高校生活を送る二男のお弁当にと、毎日、塩おにぎりを握りました。塩味の利いた具のないおにぎりをご飯党の彼が所望したからです。日ごろ、距離のある生活をしていることもあり、おにぎりを握りながら色々なことを考え、彼のために祈りました。そしてこんなふうに自己満足ながらおにぎりに愛情を注ぐこと・・・これがまさに「手塩にかける」ということ? ひとりよがりながらその意味に気がついて、思わず日本語のもつ奥深さに妙に感じ入ってしまったのです(笑)。

そして「手塩にかける」ということはパン作りも同様で、「おいしいパンができますように・・・」とオーブンの中に生地を入れた時に願う気持ちが、食べてもらう人たちに「あら、おいしい♪」と自然に伝わっていくものなのかも知れません。

さぁ、今年も愛情スパイス入りのおいしいパンを作りましょう♪
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

e0073947_258793.jpg

毎年、伯母が干支にちなんで和小物を作ってくれます。2007年は我が家の年賀状になりました。
[PR]
# by milkieko2 | 2007-01-04 03:18 | 58.年頭所感・2007年
クリスマスが過ぎて、2006年もあとわずかとなりました。皆さん、今年はどんなクリスマスをお過ごしでしたか?

私は…と言えば、12月は慌しく日本へ一時帰国をしておりましたが、日本では思っていたほど、クリスマス前の盛り上がりに欠け、やっぱりクリスマスの雰囲気を味わうならばドイツに限る。と、日本にいてこちらのクリスマスマルクト(市場)を大いに見直してしまいました。

そこでドイツにはクリスマス直前に戻って来ましたので、不完全燃焼のクリスマス気分を盛り上げたい~♪と、クリスマスのアルザス旅行へと出かけて来ました。

なんと今年二度目の訪問となるアルザス地方。ドイツのマルクトはクリスマスの前日、早ければ前々日にお店が閉まってしまいますが、ここアルザスのクリスマスマルクトは12月31日まで開かれている…というのもうれしい限りです。いまいちクリスマスを満喫できなかったという方、今からでもまだ間に合いますよ~(笑)

それにしてもクリスマスのケーキと言えば、ブッシュ・ド・ノエルですね~。コルマールとストラスブールのケーキ屋さんでは、実にたくさんのブッシュ・ド・ノエルを見かけました。どれもクリスマス仕様で本当に美しい。ちなみにお味のほうは、とても食べ比べができませんでしたので、今回はコメントなしのお写真のみでどうぞお楽しみくださいませ。
e0073947_21413810.jpg

e0073947_21484212.jpg

e0073947_2149204.jpg

e0073947_21495131.jpg

e0073947_21503233.jpg

e0073947_21511955.jpg

e0073947_2152470.jpg

e0073947_21524513.jpg

ブッシュ・ド・ノエルとは、「クリスマスの薪」という意味ですが、なぜ「薪」の形になったかについてはいくつかのお話があるようです。
①かつて北欧では樫の薪を暖炉に燃やすと一年中無病息災でくらせるという神話からきた説。
②前年の冬の燃え残りの薪で作る灰は、これから1年の厄除けになるという伝説により、お菓子も縁起のいい薪形になったという説。
③切り株の形はキリストの誕生を祝った時に夜通し暖炉で薪を燃やしたことに由来しているという説。
④貧しくて、恋人へのクリスマスプレゼントも買えないある青年が、せめてもと、薪の一束を恋人に贈ったという説。
「ブッシュ・ド・ノエルの由来」より

来年のクリスマスケーキは、いつものロールケーキをクリームでコーティングして、かわいらしくクリスマスの飾りで演出するブッシュ・ド・ノエルに決まりかな…?

皆様、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。
[PR]
# by milkieko2 | 2006-12-28 22:40 | 57.アルザスのブッシュドノエル
e0073947_7213274.jpg

近頃、妙にハマッテいるパンがあります。その名はCiabatta(チャバッタ)。先日もお洒落なパン屋さんのカフェで、軽いお食事をしたところ、カゴに入ったオリーブ入りとプレーン味の二種類のチャバッタが一口サイズに切り分けられて登場してきました。実は最近、ドイツ人にも人気のパンの一つなんだそうです。

産まれはイタリア北部・ポレシーネ地方のアドリアという所。縦長に平たい形から「スリッパ」の意味を持っています。断面はスカスカと穴があいていますが、食べると外側はカリッとしているのに、中味はもちもちっとした食感なのでちょっと不思議。このもっちり感はイタリアのパンにしては珍しいんじゃないかしら…。とにかくバターをぬっても、オリーブ油に浸して食べても、もちろんそのままでもおいしく頂けます♪

そこで私のチャバッタ作りは大いに手抜きをして、チャバッタ専用粉を使いました。これは前回ご紹介したフランスのパンドカンパーニュの専用粉と同様、すでに粉の中にイーストが入っているので、お水を加えて捏ねるだけのもの。ドイツの小麦粉メーカーDiamant製で、1.20ユーロ(約180円)でスーパーに並んでいます。

e0073947_7223544.jpg


e0073947_8192042.jpg

そうそう。以前、ドイツのパン作りの本に、チャバッタ作りは難しいと書いてあったんですよ。できればイタリアの硬質小麦を使いましょう、とも。確かにもともとはパスタに使用する硬質小麦が使用されていたようなんですが、そんなこともあり、この「Ciabatta」と書かれた粉が私の目に留まった時は、一段と光輝いていましたねぇ~(笑)。ちなみにこの粉の中には、粉、塩、ドライイーストの他に、発酵を促すために酵素、麦芽粉、発酵種、アスコルビン酸の添加物が入っています。

袋の裏に書いてある作り方によると、500gのチャバッタ粉にお水を345ml加え、パン捏ね用の羽根を使って、最初は低速で粉と水をなじませてから、高速にして3分間、捏ねる。生地をまるめて布巾をかぶせ室温に30分置く。膨らんだ生地を二等分し、それぞれ長さ約30cm、幅15cmに平たく伸ばす。この時、空気が入っている部分はこまめにつぶし、さらに上面にフォークをさして穴をあける。室温に40分間置いて、生地が二倍に膨らんでいたら、上面に粉をふる。200度に温めたオーブンで20分焼いて出来上がり…。
ねっ♪ お手軽でしょう?

でも私は念のため、発酵時間はどちらも10分ほど長く取っています。そして細長く平たい長方形に伸ばしたら、四つに切り分けて、下の写真のように「チャバッティーナ」に成型することが多いですね。

捏ねた生地の中にオリーブを刻んで入れると風味が倍増してなお、おいし~♪ 

e0073947_7273933.jpg


e0073947_7292236.jpg








ドライトマトを加えると塩味がきいてこちらもなかなか良いですよ。e0073947_7385266.jpg


e0073947_7392819.jpg








このチャバッタ。最近、よくお教室で皆さんに試食してもらっているのですが、好評です! お手軽にチャバッタ作り、いかがですか?
[PR]
# by milkieko2 | 2006-12-01 08:22 | 56.お手軽チャバッタ
先日、ベルギーのDurbuy(デュルビュイ)という小さな街で素敵なパンドカンパーニュとの出会いがありました。

この名前を聞くと、日本でもパリの「ポワラーヌ」がカンパーニュのお店として有名ですが、このパンはもともとパリ近郊の田舎で、昔から作られていた家庭用の大きなパンでした。それをパリまで行商で売りに来ていたことから、田舎風=カンパーニュと呼ばれていますが、このパンの特徴は外側の生地は厚くパリッと歯応えがあり、中はしっとりとやわらか。ルバァンと呼ばれる天然酵母を使って、じっくりと発酵させてから焼くことにより、パンの風味を思う存分、味わうことができます。

e0073947_20181154.jpgさて、リエージュの先にあるデュルビュイという街は、ウルト渓谷にすっぽりと包まれて緑と川に囲まれたとても美しい所でした。Pl. aux Foires(ファール広場)を中心に、石造りの家、石畳、小道が続き、高台には小さなお城が建っています。なんと街の人口は500人足らず…と、世界で一番小さな街と呼ばれているのですが、たくさんのレストランがあり、実はグルメの里としても有名なんですよ。


e0073947_20185115.jpgそしてここでこじんまりとした一軒のパン屋さんを発見! パンの種類は大きくて丸いパンドカンパーニュと角型の黒パンに白パン。その他は夕方だったせいもあり、小ぶりのパイとクッキーが置いてあるだけの品揃えでしたが、なんだかとっても魅力的な雰囲気です。
ショーケースの後ろ側の壁の棚に、焼き上がった不揃いなパンがきちんと横並びに立てかけてあるその姿が美しいのか、はたまた焼き上がったパンから発するオーラが店内に満ち溢れているからなのか…。しばらく立ち止まって窓越しにお店の中の風景を見入ってしまうほどでした。

それにしてもカンパーニュと書かれた直径25cmほどの丸パン(上記写真・手前側)は、上面に粉がふいていて、クープがほどよく裂け、しかもその姿がとってもお上品なんです。何だかいつも見ているのとはちょっと違うなぁ~と、よくよく考えてみたら、このカンパーニュは真っ白なんですね。たいていはライ麦が加わって、焼き上がりがこげ茶色で素朴な雰囲気を持っている、と勝手に思い込んでいた私にとって、こちらのカンパーニュはとっても新鮮に感じました。それにお値段が、一個1.75ユーロ(約260円)という表示にもびっくり。これって一個の値段? と半信半疑でしたもの(笑)。

そこで「ボンジュール~」と勇気を出して店内に入り、カタカナフランス語のアクセントで通じるかどうかとハラハラしながらも「カンパーニュを一つ…」と告げると、愛想の良い「ウィー、マダム」と心地よいおばさんの声。そしてすぐに味見がしたかった欲張りな私は、その場で機械を通してパンをスライスしてもらい、上機嫌であこがれのカンパーニュを胸に抱くことができたのです♪

e0073947_20201776.jpg


お味は…? もちろん申し分ありませんよ~。底の部分の焦げた香ばしい香りと、ふわふわのパン生地の絶妙なハーモニーは、バケットを思わせるような口当たりで、ほのかに感じる粉の風味が見た目同様にとってもお上品でした。なんだかカンパーニュと呼ぶにはもったいないくらいです!


e0073947_20214353.jpgところで私も時々、お家では自家製酵母を使ったりしながら、フランスで買ってきたパンドカンパーニュのお粉と一緒に、大きな丸パンを焼いたりします。このパンドカンパーニュ専用粉はすでにライ麦が入っているので、焼き上がりは茶色くて、食べるとほのかな酸味を感じます。
実はこれ。ずいぶん後になってから知ったのですが、フランス語のわかる方に袋の表記を読んでもらったところ、すでにイーストやお塩が入った調合済みのお粉だったので、お水を加えて捏ねるだけで、手軽にパンドカンパーニュができてしまうという優れものだったんですよ。


e0073947_2045816.jpgそしてこちらはデュルビュイの白いパンドカンパーニュを再現したいと思い、帰り道に立ち寄ったスーパーで買った粉です。今回は前日の晩から生イーストと粉、水を混ぜて12時間発酵させて種を作り、それに残りの粉と塩、水を加えて捏ねて、一次発酵も二次発酵も焦らずにゆっくりと待ってから、オーブンで焼き上げました。お店のようにはなかなか上品な仕上がりとはなりませが、食感もよく風味もあり…やっぱりベルギーの粉は私好みです!
e0073947_20243155.jpg


さてこのカンパーニュの焼き方ですが、オーブンを高温で熱しておいて、あらかじめ熱く焼いておいた小石に熱湯をかけて、たくさんの蒸気の中に入れて焼くと、外側がパリッと中味がふわ~と焼き上げることができるのです。が…。熱した小石に熱湯をかける時、ものすごい高温なんですよ。何度かこの方法を試したのですが、その都度、小石を入れた耐熱容器が割れてしまって、今では熱湯を入れたお皿をオーブンの下に置き、蒸気をだすことに留まっています。

それでも焼き上がった後に、パンの後ろを軽くコンコンとたたくと、トロンボーンのような音の響きが聞こえてきます。これが焼き上がりを知らせる合図。この軽やかな音がパンの底を伝わって流れる時、それが私の一番の幸せな時かなぁ~♪ 

ところでグルメの里、デュルビュイでは狩猟が解禁になったこの季節、猪や鹿の肉を使ったお料理を堪能することができます。と、私たちが気がついたのはデュルビュイを訪ねた後日のことでした(笑)。どうりで晩秋の週末、街のホテルが満室だったわけですよね~。しかし私にとっては猪肉よりもパン? まずまず充実した秋の散策のひと時と相成りました。
[PR]
# by milkieko2 | 2006-11-27 21:32 | 55.パン・ド・カンパーニュ
e0073947_20105855.jpg

秋の名物をもう一つ。かぼちゃがお店に並ぶ頃になると、ドイツのパン屋さんにWeckmann(ベックマン)という人型をかたどったパンが登場します。シンプルな生地の他に、レーズンの入っているものや、パンの上にスライスアーモンドがたっぷりかかっているものもあり、全長は10センチから20センチとパン屋さんによって種類や大きさは様々。日ごろはかたいイメージのあるドイツのパンですが、このベックマンはお菓子パンに分類されているとおり、生地が甘めで食べやすく、たいていはお腹の上にパイプがのっているのが特徴です。

さて、このベックマンを見ると思い出すのは、三男がまだ低学年だった頃、毎年、学校でラタルネという提灯を作り、その中に豆電球の灯りをつけて、11月11日の聖マルチンの頃に教会で行われるマルチン祭の行列に参加したこと…。

この聖マルチンという人は西暦300年台のローマ帝国の軍人で、着る物がなく寒さに震える貧しい人たちに自分のマントを切って分け与えたという人物。現在の修道院の原型となるものをフランスに設立し、彼の推進した修道運動がその後のキリスト教活動に大きな影響を与えたと言われています。

そこでマルチン祭のこの日、もうすっかり日の暮れた夕方になると、マルチンの格好をして馬に乗った人を先頭に、子供たちが行列を作って教会を出発し、町内を歌いながら一周した後、マルチンのマントを切ってイベントは終了。子供たちは大きな紙袋をおみやげにもらうのですが、その中にりんごやみかん、殻付きのくるみやピーナツ、チョコレートなどのお菓子のほかに、大きなベックマンが必ず一つ、入っていました。

このベックマンが聖マルチンを模ったものかどうかは定かではありませんが、お腹の上にのっているパイプは、カトリック教会の司教様が持つ、長くて立派な杖から由来されており、どうやら宗教的な意味合いを色濃く持っているようです。ちなみにこのパイプは陶器でできているため、残念ながら食べることはできません(笑)。

そんなわけでこの季節になると、私もベックマンの形に似せてパンを焼きます。しかし私の作るベックマンはお砂糖の代わりにはちみつを加えた、はちみつ風味のベックマンです。この生地は、はちみつの他に、いつもより多めのバターを加えるので、打ち粉をすることもなく、分量通りのままで不思議と生地がひとまとまりになって、とってもあつかいやすく、成型がしやすいのが特徴です。

e0073947_20145545.jpg


実はこの夏休みに、初めて小学四年生の女の子を二人、お教室のゲストに迎えました。その際、この生地を捏ねてうさぎの顔に成型し、目の部分にはチョコチップを使って、かわいいうさぎパンを焼き上げたのです。将来はパン屋さんになりたいという夢を持つ彼女たち。このはちみつ入りの生地のおかげで、未来のパン屋さんの小さな手でも、私が手伝うことはほとんどなく、おいしいパンが出来上がりました♪

そんなはちみつは私が好んで使う手軽な食材の一つなんですが、パン生地の中に直接、加えたり、はちみつバターを作って生地にぬって焼き上げたり・・・とパン作りにはもちろん、大福の生地の中に、はちみつを加えたりもします。また電子レンジで作る「はちみつきな粉飴」は、なつかしい素朴な味がして、疲れた時に一粒食べれば、元気百倍! はちみつパワーにはいつも助けられています。

e0073947_2016223.jpg
はちみつは計量がしやすいチューブタイプを常備。生地の色に合わせてはちみつを使い分けたりします。
一番左ははちみつ専門店で買ったコクのあるタイプ。



それにしてもドイツの店頭に並ぶはちみつの種類の多さと言ったら、何を買ったら良いのか迷ってしまうほど。なんとヨーロッパでは「はちみつの歴史は人間の歴史」という言葉があるくらい、最も古い栄養源と言われているそうなんです。今さら語るまでもなく、はちみつはビタミンとミネラルを多く含んだバランスのとれた栄養食品ですから、日ごろから大いに活用したいものですね。

さて本題に話は戻りますが、本家ベックマンは12月8日のニコラウスの日(ドイツではサンタクロースの来る日)までパン屋さんの店先に並びます。秋の夜長、ベックマンと一緒に楽しい時間をお過ごしください♪

e0073947_20225141.jpg

    ハロウィーンには、はちみつ生地をクッキー型でくりぬいて。
[PR]
# by milkieko2 | 2006-11-01 20:58 | 54.Weckmann
ドイツの代表的な家庭料理の一つ、「Zwiebelkuchen(ツビーベルクーヘン)=玉ねぎのケーキ」は今が旬の時。9月初旬から10月下旬にかけて、ぶどうの収穫期となるこの時期に、ドイツのお店にお目見えする「Federweißer(フェーダーバァイザー)」という発酵ワインを飲みながら、Zwiebelkuchenを食べる…これは伝統ある定番の組み合わせと言われています。

e0073947_2262311.jpg


e0073947_4313148.jpgこのZwiebelkuchenは、kuchen(クーヘン)=ケーキと名前がついているものの、生地はイーストを加えて発酵させてから焼くので、食感はやっぱりパンを薄くしたようなもの。たくさんの玉ねぎをしんなりとするまでじっくりと炒め、サワークリームと卵を混ぜ合わせて、型にしいた生地の上に流し、さらにベーコンを散らして、160度のオーブンで一時間ほどかけて焼き上げます。そう。生地の中味はキッシュと同じ。それでもパイ生地で作る軽めのキッシュに比べると、こちらは食事の一品ともなる食べ応えのあるボリューム感です。

e0073947_2284714.jpgそしてレシピの中に必ず登場してくるのが、クミンまたはクミンシードと呼ばれる香辛料です。これは濃いめの黄色い粉末で、カレー特有の香りと辛味をもち、インド料理には欠かせない重要なスパイスのひとつ。ドイツではフランス語に近い呼び方でKümmel(キュンメル)と呼ばれています。
これを通常は玉ねぎを加えた生地の中に加えるのですが…。う~ん。これがどうも苦手~(泣)。生地作りをしている最中には、それほど強い香りは感じられないのですが、できあがったZwiebelkuchenを一口、食べると、クミンの独特の香りがとても刺激的過ぎて、我が家では評判が全く良くありません。なので当初のレシピから、クミンが徐々に減っていき、今ではすっかり姿を消して、あえてクミンは加えないようになってしまいました(笑)。

一方、Zwiebelkuchenの相方であるFederweißerは、収穫したばかりのぶどうを発酵させて、ワインを作る初期の段階で飲んでしまうというもの。つまりこのワインは発酵を始めたばかりで、ずっと発酵を続けているような状態ですから、ビンの中でぶどうジュースがいつもシュワシュワと活動している様子がよくわかります。

e0073947_4282532.jpg


そこでビンは密封されておらず、立てて保管しておかなければならないのですが、日ごろは、スーパーでビンのものを買う際には、レジの台の上に横に並べて置くことが鉄則にもかかわらず、このFederweißerの場合は、知らずに横に置いてしまうものなら、さぁ大変。ワインが簡単にこぼれてしまって、あれぇ~、もったいない~ なんてことになりかねません(笑)。

そしてこのFederweißerは乳酸菌、ビタミンB1、B2が多く含まれているため、腸の働きを助ける作用があり、それにZwiebelkuchenの玉ねぎの整腸効果が加わってさらにお腹の調子はすっきりです! 特にFederweißerは甘くてジュースのような感覚で飲めるため、ついつい飲み過ぎてしまいがちですが、Zwiebelkuchenのようなボリュームのある食べ物との組み合わせは、実は飲み過ぎ防止にも役立っているとのことなのです。

e0073947_4294250.jpgさて余談ですが、今年はFederweißerを手にした時に、このシュワシュワがすでに酵母エキスになっているはず!…と確信した私は、このFederweißerを使って天然酵母パンを焼いてみました。
通常、天然酵母パンは、果物などから酵母エキスを作る作業から始まりますが、Federweißerはそのものがすでに酵母エキスの状態となっていますので、第二工程の酵母種作りから始められるというわけ。簡単に天然酵母パンを焼いてみたいと思われる方に、このFederweißerの酵母エキスはオススメですよ~♪ そして焼き上がったパンは独特の風味が漂う大人の味に焼き上がりました。

短い秋のひと時、ZwiebelkuchenとFederweißerを楽しんだ後は、急速に秋が深まっていくようで、ちょっとうら寂しさを感じたりもしますが、これから迎える暗くて長い冬を元気に明るく過ごすために、パン作りにも一層、力が入りそうです。
[PR]
# by milkieko2 | 2006-10-23 05:19 | 53.玉ねぎのケーキと発酵ワイン

52.あんみつが食べたい。

この夏の終わりに、お茶に誘われて友人の家を訪ねた時、私の前に登場したのは、なんと感激のお手製・あ・ん・み・つ。 それは何年ぶりの再会だったことでしょう。
あっ、友人のことではなく、あんみつとのご対面のことなんですが…(笑)。おそらくドイツへ来てからは一度も食べていなかったと思うのです。だってあんみつの存在自体さえ、私の頭の中からまるっきり消え去ってしまっていたのですから…。そんなわけで、とにかくとってもなつかしい…。

しかもごちそうになったあんみつは、シンプル味と抹茶味の二種類の寒天に、手作りあんこと白玉。その上にグラニュー糖を煮詰めて作った白みつがたっぷりとかかっていて、あ~、本当においしかったぁ~。さっぱりした寒天に甘過ぎないあんことトロリとした白みつがからまって、まるでお口の中で弾けてゆくようです。そうそう。あんみつってこんなふうに幸せな味でしたね~♪

思い起こすと、和菓子系が大好きだった私は、学生時代にもそんなお仲間達とよく甘味屋さんへと出かけたものでした。私にとってあんみつへのこだわりは、アイスクリームがのっているクリームあんみつは邪道なもの。蜜は黒みつ。あんこはこしあん。紅白の求肥が入っていたらなおよし。そしてみつは別の器に入っていて、食べる直前にかけて頂く…。

でも当時はあんみつを手作りして食べる…などという発想はまるっきりありませんでしたし、お店で食べるあんみつは、私にとっては高価なものでしたから、それはちょっとした贅沢なひと時でもありました。それが?十年も経った現在、友人のあんみつを見て、今なら私も各パーツをどれも手作りできる。そして心ゆくまで食べられる。そう確信したのです(笑)。

しかし、日本の食材店で買う黒砂糖はちょっとお高いし、気軽に黒砂糖が手に入らないのが悩みの種でした。グラニュー糖やはちみつを煮詰めて作るみつも、それはそれなりに確かにおいしいとは思うのですが、やはり黒みつに愛着のある私としては、ここはぜひ黒砂糖のコクと風味を味わいたい…と嘆いていたある日のこと。これまた中華食材店でタイ製の黒砂糖、それもお手軽な粉末タイプが売られていることを知り、この度、めでたく手に入れることができたのです! しかも1.60ユーロ(約240円)と超格安。パッケージのタイ語はまるっきり理解できませんが、確かに中味は間違いなく黒砂糖です。シアワセ~♪

e0073947_4524767.jpg


e0073947_456175.jpgそこでこだわりのあんみつ作りですが、寒天はドイツのAgarAgar1袋を200ccのお水に入れて1、2分ほど沸騰させてから冷蔵庫で冷やします。白玉はやはりタイ製のもち粉とお水を混ぜて捏ね、耳たぶのかたさにまとめたら、熱湯にくぐらせて冷水にとります。半分は抹茶を加えて緑色の白玉にしました。あんこはもちろんBIOのAzukiの手作りあんこ。それに黒砂糖にお水を少量加えて煮詰めた黒みつを添えて、みかんの缶詰があれば彩りに2、3個入れましょう。これで完璧です!

おまけにずっと作ってみたかった黒糖パンにも挑戦しました。こちらは生地の中にも黒砂糖が入っていますが、これだけではほんのりとした甘さ控えめなお味なので、オーブンで焼く直前に生地の上面にもたっぶりと黒砂糖をふりかけて、リッチな気分で黒砂糖を豊富に使いました。そう。この上の部分に心地よい甘さを感じて、とってもおいしいのですよ。お教室のプログラムにも早速、「黒糖プチパン」のメニューを加えたところ、関心のある方が多く、黒砂糖の人気の高さが伺えます。

e0073947_454684.jpg


ちなみにこの黒砂糖は、ミネラルがたっぷり含まれているうえ、白砂糖に比べると血糖値が急上昇することなくブドウ糖を補給できるので、疲労回復にも効果があり、総合栄養剤としてもどんどん取り入れたい健康食品なんですね。沖縄県の人たちが長寿として有名なのは、黒砂糖を日常的に取り入れているから、と言われているほどです。

それに何と言っても黒砂糖のコクのある風味がたまりません。
今回、あんみつとの思いがけない出会いから、ドイツでも黒砂糖を身近に使えるようなり本当に大満足です。次はなつかしくて素朴な味の黒糖蒸しパンでも作ってみようかなぁ~♪

e0073947_454441.jpg

  みつは食べる直前にかける…この瞬間がわくわくします。
[PR]
# by milkieko2 | 2006-10-08 05:06 | 52.あんみつが食べたい。
いつか石釜でパンを焼くのが夢…。薪を組んだ炎で熱くなったレンガの中に、天然酵母からゆっくりと発酵させたパン生地を入れて焼く…。なんだか想像するだけで、香ばしく焼き上がったパンの香りが漂ってくるようです。時々、たわ言のようにお庭に釜を作っちゃお~よ、と主人に懇願するのですが、集合住宅であるマンションの一角ではとうてい無理なお話(笑)。最近はほとんど相手にされなくなってしまいました。

そこで、ふと、思いついたのです。石釜は遠赤外線効果でパンがおいしく焼けるのだから、同じ遠赤外線効果のある土鍋に入れて焼いてみたらどうだろう?…と。我が家にある中華食材店で購入した素焼きの土鍋、ひょっとしたら使えるかな?
早速、405と全粒粉を混ぜた粉を捏ねて、じっくりと一次発酵させた生地を土鍋に入れて、蓋をしたまま二次発酵させてから、少し高めの温度でそのまま焼いてみたところ、これが驚くべき新発見! 外側はパリッと中はふんわり、やわらかな、私好みのおいしいパンが焼きあがり、びっくりするほどの大成功だったのです。

e0073947_621189.jpg


しかも全粒粉を使ったパンは、時間の経過とともにどうしてもかたくなってしまうのですが、土鍋に入れて焼いたパンは、二、三日後もやわらかく、おいしさが長持ちするから不思議です。これも遠赤外線の効果かしら…ん? 
それに土鍋のままテーブルにだすと、蓋をあけたらパンがでてきて、あら、びっくり!なんて演出効果も楽しめて、おいしさが二倍に膨らみます(笑)。

さてこの全粒粉を使ったパンのことを、一般に「グラハムブレッド」と呼びますが、これは小麦胚芽に含まれるビタミンや食物繊維の栄養素を逃さないよう、小麦を丸ごと粗挽きすることを考案したアメリカのお医者さん、グラハム博士の名前にちなんだもの。この発見は19世紀前半のことで、以来、全粒粉のまたの名をグラハム粉と呼ぶようになりました。小麦の胚芽や外殻(ふすま)には、ビタミンBやE、ミネラルなどが豊富に含まれているんです。これを取り除いてしまうなんて、本当はもったいないお話ですよね。 

そしてもう一つ。これにかぼちゃやひまわりの種、亜麻の種、ゴマなどをたっぷりふりかけたら、さらにお味がグレードアップします。ドイツではこれらの種がパンの上面にたっぷりとついているのは当たり前。これがポリポリとしていて、それぞれに味があり、実においしいのです。もちろん、これらの栄養素も見逃せません。

e0073947_645168.jpg例えばかぼちゃの種。この中にはカロチン、ビタミンB1、B2の他に、ミネラル類が豊富に含まれており、心身の疲労回復によく効くといわれています。母乳の出もよくなるとか。




e0073947_653124.jpgそしてひまわりの種は太陽のエネルギーをたくさん吸収しているので、大きな生命力をもち、良質のたんぱく質、マグネシウム、カルシウム、鉄分、亜鉛、ビタミンE、B1、B6が含まれており、現代人に不足がちな栄養を補えるうえ、高血圧、心筋梗塞、卒中発作の予防効果があります。

e0073947_663423.jpg茶色い粒々の亜麻の種は、この種から抽出される亜麻仁油が健康食品としても有名ですが、亜麻の種の約41%が不飽和性脂肪でコレステロールの低下を助けるのだそう。どれも実に素晴らしい栄養価です!



そこでこれらの種を生地の上面にのせる場合は、生地の表面にお水をぬるだけでOK~。ぬり卵なんて上品にしなくても良いんです。お水が接着剤のかわりとなって、焼き上がったあともこれらの種がパンから落ちることはありません。見た目も素朴なところが、またまた魅力的でしょう?

e0073947_694386.jpg


そんなわけで、もし土鍋でパンを焼いてみようかな…と興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、「土鍋で焼くグラハムブレッド」のレシピをどうぞ参考にしてみてください。こちらにくわしい作り方を書いていますので。
ちなみに使用する土鍋ですが、そのままオーブンに入れて焼きますので、石焼きビビンバ用の土鍋などがオススメです。そしておいしいパンが焼けましたら、ぜひご一報くださいね~♪

e0073947_611296.jpg

 全粒粉の代わりにライ麦を加えました。ライ麦パンが苦手な人でも食べられます。
[PR]
# by milkieko2 | 2006-10-05 06:40 | 51.土鍋で焼くグラハムブレッド

50.天然酵母ができた~♪

ボスニアヘルツゴビナの自然の恵みをお土産に、ペンションのママが用意してくれたいちじくや洋ナシ、ぶどうなどの新鮮な果物…。お家に帰ってから、このまま食べ尽くしてしまうのはもったいない!(笑)と思った私は、かねてよりやってみたかった天然酵母作りに挑戦してみました。

まずはあま~い、あま~いいちじくを8個ほど拝借し、熱湯消毒をしたビンに入れ、二倍の量のミネラルウォーターを注ぎます。あとは時々、蓋を外してビンを振り、新鮮な空気を送り込んであげるだけ。こうして三日もすると酵母エキスが作れるのですが…。ほんとにできるかな???

さて始めはビンの底に沈んでいたいちじく…時間の経過とともに水をどんどん吸収して上面に浮き上がり、時々、フタをあけて揺すると、一日目にしてプツプツと泡が出始めました。たまたま作り始めた最初の二日間が、9月も半ばだというのに、気温が高めだったことが幸いし、思いのほか発酵が順調に進んだようで、二日目の晩には、蓋を開けると「ポ~ん」という弾けた音! この音が聞こえたら発酵終了の合図です。ビンの中はいちじくが隠れてしまうほど、シュワシュワと泡が立ち上がり、まるで炭酸水のよう…。これを茶漉しで濾して、液体だけを清潔なビンに入れて冷蔵庫で保存します。これで酵母エキスが完成で~す♪

e0073947_016576.jpg左は完成間近のいちじくの酵母エキス、右は発酵中の洋ナシ。

e0073947_0214988.jpg








さぁ、次は中種作りです。容器の中に100gの全粒粉と100gの酵母エキスを混ぜてヨーグルト状にしたものを室温に置き、三倍近くに膨らむまで待ちます。この時は夜の10時半くらいに仕込んだ中種が、24.8度の室温で、翌朝の6時にはめでたく三倍に育っておりました。そして本来はこの作業を二、三回繰り返すと、より良いパン種になる、とのことでしたが、とにかく早くパンを焼いてみたい気持ちを抑え切れず…(笑)。えっぃー、焼いちゃえぇ~!

                 中種が膨らんだ様子
e0073947_027049.jpge0073947_0274938.jpg








                 
そこでボウルの中に小麦粉405を150g、全粒粉とライ麦粉を25gずつ入れて、中種は90g、塩小さじ2/3、お水を100ccほど加えて、ハンドミキサーの羽根を使って捏ねてみました。カンパーニュ風に仕上げたかったのでお水の量が少し多めでしたが、最後にバターを8g加えて、捏ねを終了します。

それから生地が三倍に膨らむまで、26.4度の室温で6時間ほど一次発酵させて、成型カゴに入れ、さらに生地が三倍に膨らむまで4時間置き、高温で温めておいたオーブンに入れてから、200度で35分焼成し…ふうっ~。やっと夢に見ていた天然酵母パンの焼き上がりですぅ~! 

e0073947_0311338.jpg


そこでお味のほうは…? 早速、焼き立てをお教室の皆さんに試食して頂き、パンの説明をせずに感想を伺ったところ、「粉の風味を感じる」「思ったより食感がやわらかい」「おいしい~♪」と初めてのお披露目にしてはまずまずの手応えです。確かに、天然酵母のパンは噛みしめるほどにパンの風味がお口の中に広がる感じ…。これにワインとチーズがよく合いそう~。 

さて今回の天然酵母作りは「お気楽天然酵母パン」のサイトを参考にさせて頂きましたが、管理人のゆきね~さんはとてもよく研究されていて大変、勉強になりました。
実は何が一番、難しかったかというと、中種を使ってパン生地を発酵させる時の、発酵の目安と度合いです。市販のイーストを使う場合より一次発酵も二次発酵もかなり時間がかかりますが、発酵不足では膨らまないパンになってしまいますし、発酵過多になり過ぎても、酸味の強いパンが出来上がってしまいます。まさに一番最初に焼き上げたパンは発酵過多でした。ライ麦粉を加えていなかったにもかかわらず、思いもよらず酸っぱい味がしてがっかり~(泣)。実際に天然酵母で焼くパンは、酸っぱく感じる傾向にあるようなのですが、これは種を発酵させている過程で、乳酸菌や酢酸菌が多く繁殖するからなんだそうです。気温や湿度、中種の状態などによって、発酵時間も大きく違えば、毎回、同じようにパンが焼き上がる、というわけでもなく、自分の目とカンを頼りに作る天然酵母パンは限りなく奥が深いようです。

でも一つのパンを焼くためにかける長い長い時間は、日ごろ、あくせくと時間に追われて生活している私に、「のんびり行こう」と語りかけてくれる、大切なひと時に変化していくような気がします。酵母の成長を眺め、生地が膨らむことを願い、オーブンの中でおいしく焼きあがることを祈る…。慌てず、急がず、ゆっくり、ゆっくり…。天然酵母のパンの魅力はそんなところにあるのかも知れません。

そして酵母エキスや中種は、時々栄養を与えてあげれば、何年も大事に育てることができるのだそうです。私の天然酵母作りはやっとスタート地点にたちました! これから大切に育てて、色々なパン作りに挑戦してみたいと思います。来年もまたボスニアを訪れることができるようにと願いを込めながら…。

e0073947_032371.jpg

   洋ナシの酵母エキスとディンケル630を使って、白いパンに仕上げました。
[PR]
# by milkieko2 | 2006-09-25 04:19 | 50.天然酵母ができた~♪