10.手捏ねの意
2005年 10月 10日
この捏ね時間ですが、ちょっと疲れたなぁ~と10分で止めてしまった時とそれでもがんばって15分捏ねた時では、パンのできあがりに歴然とした違いが感じられます。やはり妥協しなかったほうはキメが細かく、ふっくらとおいしいパンに仕上がるのです。
本来ならこの作業は機械にお任せしてしまったほうが、いつも均一で良い生地が出来上がるのかも知れません。何故なら手捏ねの場合には、季節によって粉や水分の分量が違ったり、体調によってまたその時の気分によって、完成した生地に違いが出てしまうのを否めないからです。
注文販売のパンを作っている時も、私は分量を合わせて粉をこね始めながら、生地が耳たぶの硬さになるように粉を足し調整していきます。これがなかなか職人わざと呼べるには程遠く、まだまだ未熟な私には難しい作業で、その時々によって、とても満足な生地に仕上がる時もあれば、ちょっと不満が残る生地になってしまう時もあり、一喜一憂の毎日…。それでもやっぱり捏ねるのが好きなのは、そこに「おいしいパンができあがりますように。」という祈りが込められるからです。
「料理は愛情」これは日本食レストランの料理長である夫の口ぐせです。愛情を加えるほどにおいしいものができあがる…。それゆえ私は手捏ねにこだわって、自分の手で捏ね続けたいと思っています。