64.パリ ~クロワッサンの旅~ 後編
2007年 02月 25日
地図を持たずに歩いても、必ずパン屋さんに遭遇する。そう感じるほど、パリの街ではいたるところでパン屋さんに出会います。それも個人店が多いのか、お店の雰囲気は実に様々。並んでいるパンはフランスパンやパン・ド・カンパーニュの大きなものから、小型のプチパン、レーズンパンにブリオッシュはもちろん、サンドイッチなど、どれも食欲をそそるものばかり…。そしてお隣りには必ずといって良いほど、甘いお菓子のスイーツ類が美しく並んでいて、どこも個性がきらりと光っています。
クロワッサンを一個とってみても、お店によってその形や色、味や食感はまるで異なります。今回はどこのお店でも一番シンプルなバター入りのクロワッサンを選んで購入しましたが、お皿の上に並んだクロワッサンたちはそれぞれに違うお顔をしていて、どれもとっても魅力的でした。そんなクロワッサンたちを見て、「へぇ~、こんなに違うもんなんだなぁ~」と主人も一言。 ほ~んと、どの姿もとってもかわいいのです。
さらに見た目も違えば、もちろんお味だって…。 塩気を感じるもの。ちょっと甘い生地。これはバターの香りが濃厚、あら、卵の風味? こちらは軽い口当たり、こちらはちょっと重たいなぁ~、という感じ・・・。またクロワッサンの大切な食感もサクサクっとしてるのもあれば、シャリシャリっとしているのもあり、特に今回はしっとりとしているものを多く感じ、これは私にとっては意外な発見の一つでした。
さぁ、どれがお気に召すのやら…、それはもう好みの問題になってきますので、色々なご意見が分かれるところだとは思います。しかしあえて私好みで順位をつけるとするならば…
第一位は~! パリの街・20eの高台にあった「Ganachaud」(ガナショー)のクロワッサンです! こちらでは三台ある釜のうち、二台は薪をくべるスペイン釜を使用しているそうで、店内は炭の匂いに包まれていました。その釜で焼かれたクロワッサンは、生地からも炭の香りが漂ってくるうえに本当にサクッサクッ。お口の中ではバターの香りがじわじわと広がって、こげ具合の風味とちょうどよく重なります。そして甘さを押さえたお味はまさに大人のお味。これなら何個でも食べられちゃうなぁ~(笑)。
そして第二位はやはりさすがの「Poilàne」(ポワラーヌ)。サクサクとした食感と風味を感じるおいしいお味は文句なし! おまけにこちらに並んでいるパンはどれも上品なものばかりで、あれもこれも、とついつい手が伸びでしまいました。中でもSさんご推薦のTartele de Pommes(リンゴタルト)は本当においしかった~♪
それから第三位は「Le moulin de vierge」(ラ・ムーラン・ド・ラ・ビィエージュ)のクロワッサンでしょうか。店構えもアンティークで素敵でしたが、クロワッサンもなかなかのお味。生地はしっとりとしているのだけれど、それでいて食感はサクサクとしているのですよ。食べきった時は少し重たい感じがしましたけれど、また食べたいな…って思わせてくれるおいしさでもありました。
以上が独断と偏見で選んだ私の入賞クロワッサンたちです。
もちろん、このほかにもバゲットやブリオッシュなど、その他のパンのお味見も、ちゃっかりとしてきてはおりますが、食べ比べはまた次の機会にしたいと思います。さすがにたくさんのおいしいクロワッサンを一度に食べてきてしまったので、私の体重もしっかりと増えました(笑)。 しばらくはまたParisを夢みることにいたします。
「クロワッサンを一つ下さい。」と言うと、店員さんがただ紙にくるくる~と包んで、両端をねじって「ハイ」と渡すだけなんです。でもその姿さえとってもおしゃれに感じてしまう・・・。それがパリの魅力なのでしょうか?