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こんにちは~♪ ドイツのデュッセルドルフでパン教室を開いています。パン好き、粉好きのmilkiekoと申します。ドイツの暮らしや食材、日ごろ感じる小さな私の想いをご紹介しています。


by milkieko2

65.私のクロワッサン

昨年、12月に日本へ一時帰国をした際、日本橋にあるデパ地下のいくつかのパン屋さんの味比べをしたのですが、ここでの記憶に残るおいしいお味が「メゾンカイザー」のクロワッサンでした。こちらのお店は前回訪れたパリのお店「エリックカイザー」のご本人であるエリック・カイザーさんとあんぱんで有名な木村屋の息子さんが共同で経営、都内を中心に店舗があり、「All about」のパンサイトでは「2006年・読者が選んだ好きなパン屋さん」の特集で二年連続のナンバー1の栄冠に輝いています。

65.私のクロワッサン_e0073947_251293.jpgそしてこちらのクロワッサンは、自慢の一品と謳われるだけあって、一口めのサクッとした歯応えと後味の良いバターの香りがとっても良いお味で、「えっ~、クロワッサンってこんなにおいしいかったのぉ~」とジ~ンとくるほど大感激。それもそのはず。私の住むドイツのパン屋さんでは、クロワッサンをおいしいと感じることがほとんどありませんでしたから…。

もちろんドイツのどこのパン屋さんにもクロワッサンは売られています。だけどとっても脂っこかったり、バターの香りが臭かったり、食感がべちゃべちゃしていたり…(泣)。お教室でも「おいしいクロワッサンが食べたいわ~!」とは、悲劇的によく語られるセリフなんですよ。

そこでメゾンカイザーのクロワッサンを食べて、なんだか急に目が覚めたのです。
これはもう自分で作るしかない!!
こうして私のクロワッサン作りが2007年の年明けとともに始まりました。

実は過去にも一度、何の知識も持たないまま、見よう見まねでクロワッサンに挑戦したことがあるんです。この時はバターを生地に折り込む工程で、バターが生地からはみ出してきて、本当に本当に苦労しました(汗)。しかもできあがったクロワッサンがもうドン底に落ち込むくらい不味かった、というのですから、心の傷は深く、意識的にクロワッサン作りから遠ざかってしまっていたのです。

そこで今回は数多くのレシピと作り方、ポイントなどをチェック。私なりに学習し検討した結果、日ごろから活用しているパンの本の中から、特に大好きな徳永久美子さんの「パンを楽しむ生活-おいしいおはなし」のクロワッサンの作り方で再度、挑戦してみることに…。この本のレシピの冒頭にあるのは「ポイントさえ守ればおいしいクロワッサンができる!」と言う、うれしいお言葉。そうなんです。ポイントを守るとクロワッサン作りは決して難しくはありませんでした。

そのポイントとは、生地とバターのかたさが同じであること。冷凍庫や冷蔵庫を上手に使いながら時間をかけて折り込んでいくこと。また生地は捏ねすぎるとサクサク感がでないので、生地作りは捏ねることをせずに60回ほどたたいて終わり。(これ、本当にラクですよ。)そしてそのまま一晩、生地を冷蔵庫で寝かせてあげると、やはり前の晩にたたいて伸ばして冷蔵庫で待機させていたシートバターとの相性は、もうばっちりです。これで最大の難関だったバターを折り込む作業は実に簡単な作業に早変わりいたしました。

そして冷蔵庫でしっかりと休ませた生地は、成型のしやすいきちんとした生地に仕上がっていますので、成型が実に楽しいのです♪ 定規で6cm間隔にスジをつけ、二等辺三角形に切った生地の底辺に切り込みを入れ、くるくると巻いていくだけ。
ほらほら、愛しのクロワッサンたちがかわいく勢ぞろいしているでしょう~。

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しかしこれからがクロワッサン生地の本格的な発酵タイムなので、完成までにはもう少し我慢をしなければなりません。成型後、発酵に室温で約1時間。卵を表面にぬってから210度で15分の焼成でやっとできあがりです。

なんと前日に生地を仕込んで一晩休ませてから、朝6時に生地とバターの折りこみ作業を開始し、完成までにかかる時間は約4時間。さすがに朝ごはんには間に合いませんし、工程時間だけを考えると、とても気の遠くなるお話ですが、実際に作業にかかわっている時間はわずか1時間くらいなもの。作業と順序に慣れてくると、家事の合間にクロワッサン作りができてしまうので、実はとっても楽しくて簡単に作れるものであったのです!

そこで私のクロワッサンです。それは粉の1/3量を全粒粉に代えていますので、卵はぬっておりますが、お肌はちょっと小麦色。そしてとにかくたくさん食べたいので、バターの量は少なめでミニサイズです。それにお砂糖や牛乳は入らず、粉とバターと塩、イーストだけのシンプルなお味なのでたくさん食べても胃にもたれることがありません。

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この焼きたてのクロワッサンとコーヒーがあればもうそれだけで至福のひと時です♪ ただし、クロワッサンの場合、“焼きたて”とは言うものの、オーブンからだした直後は、まだ生地の中にバターがシュワシュワと残っていますから、少し冷めてバターがすっかり蒸発し、生地がパリッとしたくらいがちょうど良い食べ頃なんですね。
そして一口かじると、生地がうずを巻いたように層を作り、その層と層の間に空洞が見られると・・・ はい。今日もおいしいクロワッサンができました~♪

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 端っこの余った生地にはチョコレートを包んで、ミニのパン・オ・ショコラを作ります。
by milkieko2 | 2007-03-10 02:24 | 65.私のクロワッサン