思えば7年間、ずっと酷使され続けた電熱器とオーブンでした。料理人としては珍しく休日にキッチンに立つ主人と、料理好きな長男。そしてオーブンフル回転でやたら煮込み料理の好きな私。とにかく年中、休むことなく電熱器もオーブンも稼動し続けて来たのです。
まだ新築だったこのマンションに入居した時、キッチンのスペースには白い壁とタイルのみで何ひとつ備え付けられていませんでした。そこへ職場の知り合いのドイツ人の方が瞬く間に組み立てて作り上げてくれたのが今のキッチンでした。
当初は火力の調整がしづらい電熱器にイライラしたものの、今ではすっかり使いこなせるようになり、大きくて立派なオーブンは最小限の機能しか持ち合わせていないシプルな物でしたが、私のパン作りの腕を磨いてくれた大切なパートナーとなっていました。本当にごくろうさま。明日のパンの注文分はお詫びとお断りの連絡を取り、夕食が作れない不便さとオーブンが使えない寂しさをしみじみ感じながら、我が家のキッチンはしばしの間、開店休業させて頂きます。
