こんにちは~♪ ドイツのデュッセルドルフでパン教室を開いています。パン好き、粉好きのmilkiekoと申します。ドイツの暮らしや食材、日ごろ感じる小さな私の想いをご紹介しています。


by milkieko2

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42.Kouglof(クグロフ)

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ドイツでよく見かけるケーキの型にクグロフ型というのがあります。シフォンケーキ型と同じように中央は空洞ですが、底は外れない一体型で、周りにはねじり模様のようなギザギザがついています。こちらでは26cmの大きさが一般的ですが、これでマーブルケーキやラム酒につけたドライフルーツのケーキなどを焼くと、もうそれだけで存在感ありの圧巻! でもちょっと手軽に使うには大きすぎるので、私は16cmのクグロフ型が二個で1セットになって売っていたものを昨年の冬に購入しました。この大きさですと卵3個を泡立てて作るケーキがちょうど二個のクグロフ型に収まるので、大変重宝しています。

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そしてドイツとの国境近くにあるフランスのアルザス地方では、その名もズバリ・Kouglof(クグロフ)という名の名物菓子があります。これはイーストを使った発酵生地の中に少量のレーズンを加え、上面にアーモンドを並べて焼き、その上に粉砂糖をふりかけたもの。ほんのり甘さを感じる上品な優しいお味で、アルザス地方を訪れると、大小、様々なクグロフが白い粉砂糖を身にまとって、ぱんやさんの店先にたくさん並んでいます。これはかの有名なマリーアントワネットが好んで食べたそうな…。そして嫁入りの際に母国のオーストリアからフランスに持ち込んだと言われているものです。う~ん、なんとなく高貴なお味がするのはそのせいなのかしら?

またこのクグロフをこちらでは陶器で焼くのが一般的で、きれいな模様がついた、これまた大小、様々なクグロフ型がたくさん売られています。私も先日、アルザス地方を訪れた時に、小さな型を3個ほど購入してきました。色や模様がとてもかわいいので、選ぶのにも大変苦労しましたが、実際に使うのはちょっともったいない…。結局、家に帰ってから、クグロフを再現したくて試作した時には、買ってきた陶器の型は使わずに、前述のクグロフ型で焼いてしまった次第です(笑)。
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さてここアルザス地方は、フランス有数のワインの産地としても知られ、ふどう畑が広がる中におとぎの国のような小さな街が点在しています。私が訪れたのは、コルマールからカイゼルベルグ、インガーシェイムなどを通って、ストラスブールへ。歴史的背景からか、ドイツの影響が色濃く現れているようで、お料理や文化、風習など、ドイツを思わせるものも数多くあり、例えばプレッツェルなどは至るところでよく見かけました。しかしここはやはりフランス。お土産に買って帰ってきたフランスパンはやっぱりおいしかった~♪ それにクグロフの他にもクッキーのような一味違ったマカロンも食べられますよ。

そして途中で訪れた人口350人あまりのとても小さな街、ニーダーモルシュビール。ここのジャムやさん、パンやさん、雑貨やさんを兼ねた「メゾン・フェルベール」というお店では、クグロフをうすく切ってオーブンでラスクのように焼いたものが売られていました。私はその場で試食しましたが、これがまたサクサクっとしてなかなかおいしいのです。きっと売れ残ってしまったものをラスク風に焼き直したのでしょうけれど、クグロフに飽きたらこんな食べ方も断然、おススメです! ちなみにこのお店、街の中にある一軒だけの唯一のお店ですが、こちらのジャムは日本でも有名だそうですね。店内にはなぜか日本の招き猫が飾ってありました。訪れる機会がありましたら、お見逃しなく…(笑)。

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試作したクグロフとクグロフラスク。
ラスクはかなり焦げました(泣)

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by milkieko2 | 2006-07-10 08:17 | 42.Kouglof(クグロフ)
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5月中旬頃から、ドイツではスーパーの野菜売り場や青空市場で、セロリを少しスマートに長くしたような感じの赤い色をした野菜「Rhabarber(ルバーブ)」が登場します。これは生のままかじるにはちょっと…(笑)。実は形や姿からはあまり想像がつきませんが、酸味が強いので、お料理に使うというよりは、お砂糖で甘みをつけてデザートやジャム作りに使われるのが一般的なのです。

とは言え、日本では見たことがなかったこの野菜。毎年この時期になると、どうやって使うのかしら…ん? と大いに興味はあるもののいつも遠目に通り過ぎてしまっていた私。今年はドイツやスイスでパン職人として活躍しているみちえさんのレシピを参考にルバーブを使ったお菓子作りに初挑戦してみました。

e0073947_8355756.jpgまずは「ルバーブのシュトロイゼルクーヘン」。シュトロイゼルとはバター、小麦粉、砂糖で作ったクッキー生地を細かくしたもの。これをケーキの生地の上にパラパラとのせて焼くシンプルな「シュトロイゼルクーヘン」はドイツのパンやさんでよく見かける定番の四角いケーキです。今回は発酵生地の上にザクザクと切った生のルバーブをのせて、その上にシュトロイゼルをかけて焼きました。ルバーブの甘酸っぱいお味がシュトロイゼルの甘さと調和して旬を感じさせてくれる一品です。

そしてマスカルポーネを使った「ルバーブe0073947_8363542.jpgのムース」。ルバーブは小口切りにして少量のお水と一緒に火にかけると、10分もすればすぐにクタクタと煮えてしまうんですね。見た目はセロリのようにスジがありますが、それも気にならないほどすぐに柔らかくなってしまいます。そこにゼラチンを加え、生クリームとマスカルポーネと一緒に固めました。ムースというよりはフルーチェを濃厚にしたような食感です。

e0073947_8372022.jpgそれから余ったルバーブはこれまた今が旬の果物・いちごと一緒にジャムにしました。私がジャムを作る時は、たいていは果物の総重量の三分の二の量のお砂糖を加えますが、そうすると甘すぎずちょうど良いお味に仕上がります。今回は酸味の強いルバーブを加えましたので、お砂糖の量を増やすべきかと迷ったのですが、とりあえずいつもと変わらぬ分量で作ってみたところ、爽やかな酸っぱさがいつものいちごジャムを上品な味に仕上げてくれたのです。

さてこのように思いのほか簡単に用いることのできるルバーブですが、この効用がこれまた、とってもすごいんです! ネットで調べたドイツ語のページを息子に訳してもらったところ、ルバーブの栄養作用は以下の通りでした。

-ルバーブには莫大な量のカルシウムが含まれており、これは神経を沈める作用がある。
-ルバーブのマグネシウムは筋肉の働きを良くし、カリウムは血の巡りをよくする。
-酸味は胃や腸の消化活動を妨げるバクテリアを取り除き、それに含まれる繊維質が大腸の毒素と使われない脂肪分を消す。そのため便秘と減量に良い。
-ルバーブに含まれるビタミンBはストレスに対し良い働きをし、健康な肌、丈夫な髪を作り、血流をよくする。
-また細胞の活性化を促し、精神を落ち着かせ、脳と神経の働きに良い。

ねぇ~、驚きの健康食品でしょう~。それもそのはず。ルバーブは漢方薬として用いられる大黄(ダイオウ)の一種で、原産地はシベリアですが、欧米で広く栽培されており、アラブ地方では高度な医薬品として用いられているのだそうです。

それに旬のものを食べるということは、先人達が語り継いできた偉大なる知恵で、実は一番、自然の理に適っていることですよね。飽食の時代と呼ばれる現代社会では、文明や交通機関の発達によって、季節や場所を選ぶことなく、たいていのものはいつでも簡単に食することができるようになりましたし、ルバーブももちろん冷凍保存ができるんですよ。でも冷凍したものを二回目のムースに使用したときは、フレッシュなルバーブを使った時よりも酸味が落ちたように感じました。やはり栄養がたくさんあるうちに新鮮なルバーブを期間限定で楽しめたなら、それが一番おいしい贅沢な食べ方のように思います。

さぁ、7月に入り、きのこが豊富に出回ってきましたので、そろそろルバーブは姿を消す頃です。美しく健康になりたい方、どうぞお急ぎくださいね。
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by milkieko2 | 2006-07-08 08:46 | 41.旬を食べよう、ルバーブ